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フードロスについて考えてみる

投稿日:2020年12月31日 更新日:

最近では、食品ロスや、フードロスという言葉を耳にする機会も多くなりました。


本来なら消費されるはずだったが売りきれず、生産余剰となってしまった食品。
季節や時期商品のため売出し期間が短かったり、パッケージデザインの変更に伴って処分品とされてしまうこともあります。


しかし、フードロス問題は昨今始まったばかりの問題でもないことは皆さんもご承知のことだと思います。


消費者庁によれば、日本でまだ食べられるのに廃棄される食料は年間でおよそ612万トン。

国民一人当たりに換算すると毎日ご飯茶碗1杯分(132g)の食料が廃棄されているそうです。


フードロスを減らすには、購入者と企業側、両方のアプローチが必須です。

言い換えるならば、各家庭及び個人の努力、そして飲食業界全体の努力、この両輪揃ってこその取り組みが成功の鍵になります。


まず、食べられるのに捨てられる食材という観点から、今一度消費期限と賞味期限について考えてみましょう。

消費期限と賞味期限


消費期限と賞味期限の違いは以下の通りです。

消費期限とは、消費期間の限界すなわち消費期間の最終日時。

食品の消費期限:「ある保存方法であれば品質劣化の心配なく食せる」と製造者が記載した食品の食用可能期限。

賞味期限とは「美味しく食べられる期限」。

開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、美味しく食べられる期限を示している。

 ただし、期限が過ぎても食べられなくなるとは限らない。


簡単にまとめると、消費期限=その期間までの消費(飲食)であれば安全、賞味期限=その期間までであれば美味しい、といった表示になります。


「どちらの表示も期限が切れて飲食した場合、体調不良を起こす」などとざっくりとした思い込みで食品を廃棄している方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、賞味期限は期限が過ぎてもまだ食べられる食品に対しての期限表示です。


そして、フードロス問題は、まだ食べられるのに捨てられている食材=賞味期限切れの食材が廃棄されることが問題の原因となっていることが多いです。

賞味期限は誰がどうやって決めるのか


そもそも、美味しく食べられる期限=賞味期限は誰がどうやって決めているのでしょうか。


ズバリ言ってしまえば、食品の製造メーカーが様々な化学試験、衛生試験などを元に、メーカー独自の基準で定めています。


国が定めた基準や、法律で数ヶ月以内、などと明確に定められているわけではありません。


同じ似たような食品でも、製造元によって賞味期限が異なるのはそういう理由があるのです。


個人ができるフードロス対策

上記の写真は、どちらもあと3ヶ月程度賞味期限が残っている状態で割引されていました。


賞味期限間近、または期限切れということを明記していれば法律上問題はないので、スーパーなどでは見切り品、値引き商品として売り出されているのをよく目にします。


また、訳アリ品や、おつとめ品、などで検索するとヒットしない食べ物が無いのでは?というくらいに表示が出てきます。


さらに付け加えるなら季節商品や、パッケージ一新の為の型落ち商品など、本当に様々な種類の訳アリ品があります。


私は、見切り品を購入することにまったく抵抗がないので、普段からスーパーなどではおつとめ品コーナーをよく覗くタイプです。


フードロス対策のためにできるだけ日頃から見切り品や訳アリ品を買いましょう・・・・なんてことを提案する気は全くありませんので、安心してください。
(消費期限と賞味期限の違いはぜひ理解して欲しいと思いますが・・)


それに見切り品と聞いただけで抵抗がある方もいらっしゃると思います。


そのようなタイプの方ができる最大のフードロス対策は、やはり食べる分だけ購入すること、購入したら食べきることです。



ただ、訳アリ品や値引き商品に抵抗のないタイプの方は、倹約という観点からも購入をおすすめします。

生鮮食品以外の商品は値引きシールが貼られたからといって、味に変化がある商品は多くありません。

また、昨今ではフードロス対策専門のECサイトもたくさんあるので、上手に利用しない手はありません。


以下にフードロス対策通販サイトをいくつか載せていますので、気になった方はチェックされてみてください。


社会貢献型サンプリングサイト【Otameshi】

アウトレット品や人気商品のアソートなどもあり、眺めるのも楽しいサイトです。
3.980円の購入で送料無料です。





#PR半額以下商品多数!おトクな買い物で社会貢献【Kuradashi】

月額500円のプレミアム会員になると送料が無料に(通常会員は1件につき送料550円)。
また購入金額の一部が社会貢献団体への支援金として活用されるため、フードロス削減、お得に買物ができる、社会貢献もできる、の三方良しのサイトです。

企業・飲食業界が求められるフードロス対策


個々人のフードロス対策も重要ですが、企業や飲食業界側のフードロス対策はもっと重要です。


毎日の廃棄重量は各家庭よりも格段に多いからです。


私は今まで栄養士として病院、社員食堂などに勤めた経験がありますが、その中でもフードロスという言葉の意味が重かった惣菜販売店での経験をお話したいと思います。


惣菜販売店は毎日大量に惣菜を製造し、販売します。


その毎日の中でもやはり季節商品、例えば節分時の恵方巻、クリスマスのチキンなどは商材単価も高く、売れ残り、廃棄が多ければ売上にも直接影響が出るので対策が重要視されるイベントでした。


当然予約販売は行っていましたが、当日ご予約なしでご来店されるお客様も多く、来客予測を立てつつ発注をしなければなりません。


当日の天気、曜日、週末か否か、などのデータから推測し、発注を行っていました。


予測は予測ですから、うまくさばけた時もあれば、予想外の時もあります。


売れ行きが良すぎても、閉店時間より早めに商品がなくなってしまえばお客様にとってはガッカリですし、逆に余ればロスが出ますのでお店側の損になります。


商品が少なくなれば慌てて作り足し、あまり気味であればセット売りや販売位置を変えて手に取りやすい位置に配置し直したり、、とにかくイベント時は慌ただしかった記憶があります。


販売側としていつも考えていたのは、皆さんご予約してくださればいいのになぁ、ということでした。


ご予約であれば、売り切れも売れ残りもなく、そしてご来店時刻にあわせてご用意もできるので、お会計もお待たせすることなくスムーズです。


その分お客様の回転率も上がり、ご予約販売でない商品もついで買いが狙えるし、そして従業員も疲弊することなく不要な残業が発生する確率も下がり、両者win-winとなります。



しかし、消費者側とすれば当日お店に並んでいる商品を見てから決めたい、というご意見があるのも事実。


理想は8割ほど予約販売で、残りの2割が当日売り、といった感じです。

しかし実際は3割程度が予約販売、残り7割が当日販売というリスキーな塩梅だったように覚えています。


先日、クリスマスケーキの予約販売に関して販売側の方がおっしゃていたツイートを見かけました。


こちらはフードロス対策というわけではなく、従業員の就業時間管理の為ということでしたが、大変感銘を受けました。


働く側としても、フードロスの観点からしても素晴らしい取り組みだと思います。


当日売上の分が大きいため全体では売上減少にはなってしまったとのことですが、このような取り組みが増えてほしいと思います。


しかし、利益優先の企業や経営者が多いので実際こういった取り組みをされる店舗は少ないと思います・・。


多少の在庫余りやフードロスが発生しても、売上を優先させる。
どんどん作って、どんどん売る。


実際惣菜販売店のやり方は、そのような販売でした。


そしてこのような考え方の企業や経営者は多いです。


というか、今までそのような考え方、大量生産、大量販売という販売法が主流だったのだと思います。


しかし、今後はそのような考え方は間違いなくマイナーになっていく時代です。

SDGs 持続可能な開発目標とは


SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
詳しくはウィキペディアのリンクより


国連サミットで採択された目標とありますが、達成できなくても罰則や罰金はありません。

ありませんが、このようなSDGsに取り組まない企業には今後投資をしない、という考え方の投資家や消費者は欧米諸国では年々増えています。


もちろんこちらのSDGsは日本も採択している努力目標です。


日本ではまだまだ取り組みや周知が足りていないと感じますが、ビジネス的な観点から海外の投資を期待するためにもこのSDGsに取り組まない、という選択肢はありません。


企業側のフードロス対策からSDGsを観ると、「目標12 つくる責任、使う責任」というのが当てはまります。


充分な売上を確保しつつ、余分に作りすぎない、余らせないようにするにはどのようにすれば良いのか、という問題に企業側も真剣に取り組まなければいけない時代なのです。


近日話題になっている取り組みは、セブンイレブンのおにぎりの消費期限を伸ばし、廃棄ロスを減少させるといった取り組みでしょうか。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20201229-00215076/
(クリックで記事に飛びます)


このように、大企業ではすでに取り組みが浸透しつつあるSDGs。

もちろん、個々人でもできることから取り組んでいくことが重要になっていきます。

まとめ


今回は、フードロス問題について、私が日々モヤモヤと考えていることをお伝えしました。


私は食べることが大好きで、美味しい食べ物も大好きです。


作り手としての立場から言えば、作っても食べられることなく廃棄される食事を見るのはとても辛い。

消費者からしても、まだ食べることができる食材が廃棄されるのは心が痛みます。


個人ができる取り組みには限界があると思います。


それでも、フードロスという問題を考えた時、毎日の生活の中でできることだってあります。


別に無理をして、我慢をして対策をするということではありません。


見切り品や、フードロス対策品を購入することに抵抗がない人はそちらの商品を購入することも選択肢に入れてみる。


食が細くて食べ残してしまうタイプの方は、できるだけ自分が食べられる量を把握して、食べ残しを少なくするように努力する。


無駄に食材を買い込まない、安いからといって大量に在庫を抱えない、というのもすぐ取り組める対策のひとつです。


たくさん並んでいるごちそうの中から食べたいものだけを食べる、といったバイキングやビュッフェスタイルの豊かな食事を否定するわけでもありません。


ただ、そのような食事スタイルの時、開催している企業やホテルがSDGsに関する取り組みを行っているかどうかだけでも着目してください


SDGsに取り組んでいる、フードロス対策にも寄与しているんだな、と分かって食べたほうが、皆さんもきっと更に美味しく食事を楽しむことができるはずです。


少しずつ、できることから。


フードロスに関心を持ってくださる方が増えるよう、願っています。

関連記事:私たちの体は食べた物でできているという「信仰」

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