花とアートの岬・長崎鼻。
その広い敷地内には、オノ・ヨーコ氏を含め総勢12名ものアーティストが手掛けた作品が屋外展示されています。
そして、なんと美術館まであります。
海と山という大自然に囲まれた中に急に現れるシャープな印象の建築物。
その館内では、自然をテーマにした人工的なアート体験ができます。
不均質な自然と人の美術館
大きなガラス張りのドアがスタイリッシュさを感じさせるこちらの美術館が開設したのは2020年。
手掛けたのは、福岡を拠点に活動しているクリエイター集団「anno lab」です。
anno labのホームページはこちらから↓
https://annolab.com/
美術館内のアート作品「太陽と月の部屋」は、第25回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞を受賞(2022年)。
そんな特別なアート作品が大分県内にあって、しかも気軽に観ることができるのってめっちゃラッキー。
アートといえども、「太陽と月の部屋」そのものが作品なので、他県へ巡回などができないのです。
そんなわけで、先日お邪魔してきました。
イントロダクション
まず扉を開けるとスリッパに履き替えるように案内されます。館内は土足厳禁です。
手前の白い中敷きのスリッパが足のサイズの小さい方用(主に女性や子ども)、奥の黒い中敷きのスリッパが大きいサイズの方用だそうです。
ちなみに館内の撮影は自由にしてOK(動画もOK)だそうです。
館内には3つの部屋が用意されています。
太陽と月の部屋
一つ目は、太陽と月の部屋です。
天井にある無数の丸形の小窓は、部屋に居る人の動きに合わせて開閉する仕掛けになっています。
部屋にはスモークもたかれており、差し込んだ太陽光の美しさを際立たせています。
小窓も、足元に現れた光の形も、まさに満ち欠けを繰り返す月そのもの。
また、動くたび、小窓が開閉するのに合わせてピアノの音が鳴ります。
なにか特定の曲が鳴るのではなく、ランダムなメロディが鳴る仕掛けになっているそうです。
床に落ちてきた太陽の光を踏むと、今度は光も人の動きに合わせてついてきてくれるとのこと。どういう仕掛け?
部屋自体はシンプルな作りになっており、機械やゴテゴテした装置などが見当たりません。部屋全体がとても美しいアート作品だと感じました。
降り注ぐ光と、意味を持たないピアノの旋律。気がつくとダンスをするように自然とステップを踏んでいます。
うっとりするような時間を過ごすことができました。
海の部屋
二つ目は海の部屋。
部屋に入る前からすでに雨音のような水音が部屋の外にも鳴り響いています。
しかも部屋がめっちゃ暗いです。暗すぎてお見せできるような写真が撮れていませんでした、、、下の写真は公式ホームページからお借りしています。
海の部屋では、水の玉にプロジェクション・マッピングを行っており、しかもその水の玉には観覧者が自由に触れることができます。
触れようとする動きに合わせて演出や光の動きが変化します。どういう仕掛け?
また私が訪れた日の天気は「晴れ」でしたが、「雨」の日バージョンのプロジェクション・マッピングもあるそうです。
水で出来たアート作品触れる、という不思議な体験ができました。
森の部屋
最後は森の部屋です。
こちらの森の部屋も、入る前から音が聞こえてきます。
鳥の羽ばたきか、木や葉の揺れる音なのか、はたまた虫たちの鳴き声か。
よく分からないミックスされた雑音。ちょっと怖くも感じる音です。
視界の端にも少しキラキラした光る何かが見えます。
が、部屋に入ろうと思い、ちょっと視線をやると、
急に音と映像が止みます(※まだ部屋に足を踏み入れていない状態)。どういう仕掛け?
部屋に入ってしばらくすると、日常を思い出したかのように雑音と映像が復活します。
丸い、円形の部屋です。
ほぼ360度スクリーンなのと、音響も上やら左右やらいろんなところから聞こえてきます。本当に森に迷い込んでしまったよう。
森の部屋では、長崎鼻周辺で撮影された映像も観ることができます。
映像は約2分。冒頭の数十秒の映像と、途中のシーンを撮影した写真を置いておきます。
途中映像が速くなるシーンも何度かありましたが、床に座って眺めても大丈夫とのことです。(そのためにスリッパに履き替えるのかもしれません)
三つの部屋それぞれで体験できるシーンが違い、とても楽しく過ごすことができました。
不均質な自然と人の美術館 まとめ
大分県豊後高田市にある花とアートの岬・長崎鼻。
そのキャンプ場敷地内にある不均質な自然と人の美術館は、絵画や彫刻作品を眺める通常の美術館とは一線を画す、アート体験型の美術館です。
このようなインタラクティブ型の美術館自体が、大分県内ではまだまだ珍しいです。
お世辞にもアクセスが良いとは言えませんが・・・意外にも長崎鼻自体はソロキャンプを楽しむ人や、ツーリング目的と思われるバイカー、お花を観に来る人々で結構賑わっています。
ぜひちょっとだけでも美術館にも足を伸ばして欲しい。それくらい素晴らしい体験ができる美術館です。
機会がありましたらぜひ、訪れてみてください。
開館時間 | 12月〜 2月 10:00〜16:00 3月〜11月 10:00〜17:00 |
休館日 | 火・水・木(ただし、祝日は除く) |
観覧料 | 一般 700円 子ども 300円 |
支払方法 | 現金のみ |
HP | https://nature-and-human.art/ |
https://www.instagram.com/nature_and_human.art/ | |
駐車場 | 有(イベント期間以外は無料) 詳しくはホームページを参照 https://www.nagasakibana-oita.jp/access/ |