
朝、なかなか起きられない。
日中は働いて疲れているはずなのに、夜もよく眠れない。
食事を摂る気力も湧かず、休日を楽しみたいと思っても、いつの間にか仕事のことを考えてしまう。
出勤前や通勤中、さらには勤務中も気分が沈みがちで、仕事に集中できない。
「あぁ、明日仕事に行きたくないなぁ…」
「働くのが面倒だなぁ…」
そんな憂鬱な気持ちで一日を終えたことはありませんか?
それでも、気持ちを切り替えようと努力し、「お金をもらうためだし、考えても仕方ない!」や「次の給料日まであと少し、頑張ろう!」、「今度の休みには〇〇をしよう、楽しみだな!」と自分を励ますことができるなら、問題はありません。
しかし、どんなに気持ちを切り替えようとしても、うまくいかないこともあります。
むしろ、退勤後も憂鬱な気分が続き、やる気が出ない。
帰宅後には家事や翌日の仕事の準備など、やらなければならないことがあるのに、どうしても体が動かない。
そんな方は、要注意です。
実は私も、ここ数ヶ月間、同様の症状に悩まされていました。
悩みながらも、単に疲れているだけだと思い込んでいました。
夜は早めに寝たり、栄養のある食事を心がけたりしましたが、自分をいたわろうとしても元気が出ない。
そこで、もしかしたらと思い心療内科を受診したところ、「適応障害」という診断を受けたのです。
適応障害とは

心の病としてよく挙げられるのは「うつ病」です。
私自身も最初に疑ったのは「うつ病」でしたが、診断結果は「適応障害」でした。
「適応障害」と「うつ病」は似ているようで異なるものです。大きな違いは、ストレスから離れた際の抑うつ状態の持続にあります。
うつ病の場合、ストレスから離れても抑うつ状態が続くのに対し、適応障害では特定の辛い環境や状況から離れると、一般的には症状が緩和され、徐々に日常生活に楽しみを見いだせるようになります。
例えば、適応障害の原因が職場や仕事にある場合、休職や転職によって症状が改善する可能性が高いとされています。
神楽坂こころのクリニックより引用
引用先URL:https://www.kagurazaka-mc.com/colum/defference-adaptationdisorder-and-depression

一方で、うつ病はストレスの原因から離れても症状が続くことが多いです。
もちろん、これがすべての条件ではありませんが、重要な点は「適応障害」を適切に治療せずに放置すると、「うつ病」へと進行したり、併発するケースが多いということです。
もちろん定義される条件はこれひとつではありません。
幸いなことに、私は「適応障害」、しかも「軽度」との診断を受け、現在は漢方薬と定期的なカウンセリングで治療を行っています。
また、主治医と相談した結果、「退職」という選択をしました。
「退職したい」という意向を上司に伝えたところ、驚くほどやる気や気力が復活してきているのを実感しています。
(なお、「適応障害」や「うつ病」を抱えるすべての方に「退職」を勧めているわけではありません。)
「適応障害」ってどんな症状?
それでは一般的に「適応障害」になるとどんな症状が現れるのでしょうか?
厚生労働省のサイトによると、代表的な症状は以下の通りだそうです。
情緒面:抑うつ気分、不安、焦り、緊張
行動面:行き過ぎた飲酒、暴食、無断欠勤、無謀な運転やけんかなどの攻撃的な行動が現れることもある
体の症状:めまい、汗をかいたり、どきどきする
もちろん、現れる症状は上記のものだけではないと思います。
実際私は、不眠や頭痛、体が動かない(やる気が出ない)、食欲がない、という症状に悩み受診した結果「適応障害」の診断を受けました。
よって悩んでいるけれど上記の症状が無いので大丈夫、とは一概に言えません。
いずれにしても、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものが「適応障害」です。
特定の状況、とは人によって違います。
例えば長時間の残業であったり、怒鳴り散らす上司がいる職場であったりするかもしれません。
残業やパワーハラスメントがなくても、自身の能力を否定されたり、対人関係により疎外感を感じて孤立してしまう場合もあるでしょう。
どちらにせよ、仕事がストレス要因である場合、退勤後や帰宅しても切り替えができずに辛い、と感じていたら要注意です。
「適応障害」になりやすい人とは?
心療内科クリニックを経営、適応障害に関する本を出版し、また東洋経済オンラインで連載も行っている医師、森下克也氏の著書によれば、以下のように定義されています。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、要はストレス要因となる物事の捉え方が「主観的」「客観的」なのかどうかと、その物事に対する対処の仕方が「外向的」か「内向的」かどうかが重要なのだそうです。
ストレス要因に対する捉え方
「主観的」=「つらい、嫌だ、どうしよう、困ったなどの感情優先」
「客観的」=「事実関係を理路整然と捉え、解決への道筋を立てる」
↓
ストレス要因に対する対処の仕方
「主観的×外向的」=「物事を楽天的に受け止めることができるタイプ」
「客観的×外向的」=「ジョギングで気分転換など、ガス抜きが自然にできるタイプ」
「主観的×内向的」=「必要以上に深刻に受け止めてしまう。ネガティブ思考」
「客観的×内向的」=「自己の理想や責任に没入。キャパシティを超えると対処の仕方がわからなくなる」
適応障害になりやすいタイプは、「主観的×内向的」、または「客観的×内向的」なタイプの人だそうです。
皆さんはどのタイプでしたか?
私はどちらかといえば「主観的」×「内向的」タイプ。
たまに「客観的×内向的」タイプにもなります。
どちらにせよ、原因や対処の方法を自分の中に求めて向かってしまいガチです。
俗に言う、「原因自分論」。
「判断を誤った自分が悪い」
「それを選択した自分が間違っていた」
「もっと良い方法があったのではないか」
実際にはどうしようもなかったとしても、気がつけば謝罪の言葉を口に出し、そのような考えが自分の頭の中に渦巻いている。
また周囲の人々もそれを求めるような方々ばかりだったので、毎日自己肯定感が削られていってしまいました。
自己肯定感が低いと、通常のクオリティが保てず、自分でも驚くような失敗をしたり、同じようなミスを起こしてしまいがちです。
そしてそれによって更に自己肯定感を低くしてしまう。
「副作用が出るような向精神薬を飲み続け、その職場で頑張ることが貴方の為になるとは思えません」
「だって他の職場や、今までの仕事でそのようなことは起きてなかったのでしょう」
「貴方は悪くないですよ」
そう、主治医の先生に言って頂いて心底ホッとしたのを覚えています。
適応障害の症状のあらわれ方はタイプによっても違いがあるそうです。
文字数は少し多いですが内容はとても読みやすかったので、適応障害かもしれない、もしくは周りに悩んでいるという人がいる方は一読をおすすめします。
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実は「適応障害」は誰にでも起こりうる

もし貴方が適応障害になりにくいタイプの性格をしていても、どんなにストレスに対する対処の仕方がうまくても、「適応障害」と無縁、というわけではないようです。
優秀な部下でも「適応障害」になる背景事情
記事を書かれた方は、先程ご紹介した森下克也医師です。
記事を読んだ方はおわかりいただけるかと思いますが、「適応障害」は実は誰にでも起こりうる病気です。
決して適応障害になった人の性格、物事の捉え方だけが原因ではないのです。
もし長時間残業や、しかも残業代も出ない会社で働いていた場合、「休みの日は気分転換してもっと頑張ろう!」とは思えないですよね。
理不尽な理由で怒ってくる上司や先輩が居た場合「次は怒られないように、もっと気をつけて仕事に取り組もう」としてもなにせ理不尽な理由で相手は怒りをぶつけてくるので意味がありません。
しかし周囲の無理解、または誤解によって改善されるべき環境がいつまでも放置されたり、または症状が出ていても早めの受診が出来なかったりしてうつ病へと進んでいってしまうケースも多いと思います。
もし、この記事を読んでいる貴方が仕事、もしくは原因が仕事以外でもつらい、生きにくいと感じている状況があるのならぜひお近くの心療内科を受診することをおすすめします。
周囲に頼れる家族や友人がいて、その方たちに相談したり、勇気づけられたりして現状が改善する場合もあるでしょう。
しかし、そうでない場合、プロに頼ることも大切です。
私たちは、骨折や風邪などの分かりやすい怪我や病気の場合は医療機関を受診するでしょう?
しかし、心と体が辛いと感じていても、なぜか甘えているとか、考え方、受け取り方がおかしいと言われてしまうし、自分でもそのような判断をしてしまう。
でも実際はそうではないのです。
誰だって「つらい」と感じる状況や環境がなくなればいいに決まっています。
もし心療内科を受診するかどうか悩んでいる方がいれば、一度思い切って受診されてみてはいかがでしょうか?
きっと、心が軽くなり、毎日が楽しく感じられるようになりますよ。