前回の記事【適応障害】あまりにも仕事が辛いと感じたら+体験談でもお伝えしましたが、生まれて初めて心療内科を受診してきました。
心療内科は、なんとなく気軽に受診しにくい、あるいはどういう雰囲気なのか分からないので受診を迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
私自身、周囲に心療内科にかかっている知り合いもいなかったので、どのような流れで診察が進むのか、予測がつかず、不安もありました。
今回は、予約や初診時の流れなどの体験談をお話しようと思います。
この記事が、心療内科を受診してみたいと考えているけど不安に思われている方の参考になれば幸いです。
どこの心療内科に行けばいい?
結論から言えば、「住んでいる街」、「心療内科」で検索をかけて家から近いクリニックを選びました。
流石に、「おすすめの歯医者知らない?」あるいは「腕のいい皮膚科の先生はどこかな?」なんてことを聞くテンションで、知り合いや友人のツテをたどることは、はばかられる思いがしたのです。
いくら親しい間柄の方でも、特にプライバシー性の高い心の問題。
心療内科に通っている、なんてことはわざわざ話題にもしないと思います。
また、私の場合、どんどん体調や気分が悪化していく中でリサーチにかける時間がそんなに取れなかった、というのもあります。
最終的に、通院することを考えて家から近い、通いやすい位置にあるクリニックを選びました。
この時点で大事なのは「病院名」の後で出てくる「評判」で検索しすぎないこと。
初めて受診する時はなおさら、「この心療内科の先生はちゃんと話を聞いてくれるだろうか・・」や「不必要な薬ばかり出されるのでは・・?」などの不安があると思います。
しかし、どんな物事にも相性があるように、もちろん病院や医師にも相性があります。
それは、例えば歯医者や美容室などでも多々あり得ることでしょう。
このクリニックと自分は相性が悪い。
そう感じたらさっさと見切りをつけて、セカンドオピニオンを貰いに他院に通えばいいだけです。
まずは、なんとなく受診しにくいというハードルを下げて、とにかく一歩を踏み出すことが大事です。
初めての受診は予約をしよう
よし、このクリニックを受診しよう、と決めたらそのクリニックのHPなどをチェックしてみてください。
心療内科を標榜しているクリニックの多くは、「初めての方へ」などの項目があり、そこに診察までの流れが書いてあります。
また、ほとんどの心療内科は予約制です。
通りすがりに、あるいはちょっと帰りがけに寄ってみようか、などという感じで受診はできないことが多いようです。
これは、ある程度患者さん同士のプライバシーを守るためでもあると思います。
できるだけ細かく予約を分けることで、患者さん同士が入り口近くで鉢合わせしたり、気まずい思いをしないように、との配慮もあるのだと思います。
予約は電話のみのところもあれば、メールで対応してくれるところもあるようです。
また、診察日や休診日、診療時間もクリニックによって違いますから、自分にとって都合の良いところを選ぶのがいいと思います。
受診時の流れはどういう感じ?
受診時の流れですが、これは流石にすべてのクリニックが同じであるとは言えない部分です。
この記事では、実際私が体験した流れを説明していこうと思います。
①まず、電話。
予約の為に、まずはクリニックに電話をかけました。
電話口では、どのような症状なのかを聞かれるので、スムーズに伝えられるよう、あらかじめメモなどに記しておくと良いかもしれません。
例:2〜3週間前から食欲が出ない、仕事を終え帰宅しても切り替えがうまくいかないのか体が動かない、眠れなくて困っている。
うつ病かもしれないので一度診察をお願いしたい。
予約時に、保険証やお薬手帳など、持参するものを教えてくれるので、それを持って予約日にクリニックに行きましょう。
②当日は約10分前にはクリニックへ到着。
予約した時間には当然ですが、遅刻しないようにしましょう。
私自身、はじめて心療内科を受診して驚いたのが、患者さんの多さです。
予約した日は土曜日でした。
土曜日だから多いのか、それともこのクリニックが人気なのか・・正確なことは分からないのですが、それでも「こんなに心療内科にかかっている人が多いのか・・」というくらい多かったです。
クリニックの駐車場はすでに満車だったので、提携している薬局の駐車場をお借りしたくらいです。
また、心療内科という特性上ひとりひとりにかかる診察時間はまちまちです。
初診時には問診表への記入や、聞き取りもあるので予約時間=診察開始時間ではありません。
時間にゆとりのある日に予約を取るようにしましょう。
③受付で保険証を提出。番号札と問診票を受け取る。
プライバシー保護の為もあり、呼び出しは番号になるそうです。
また、保険証をつかわずに自由診療(自己負担10割)で診療を受けることもできるそうです。
絶対に誰にも知られたくない、という方向けですが、、、。
問診票は、現在悩んでいることや、気になっている症状、また家族構成や、自身の生い立ちまでいろんなことを記入します。
(これもクリニックによって若干の違いはあるかと思います)
また現在投薬中や、治療中の病気があればそれも記入しましょう。
私が受診したクリニックでは、パーテーションで空間が区切られており、半個室のような待合室になっていました。
待ち時間もプライバシーを気にすることなく過ごすことができたので、非常に安心感がありました。
クリニックのHPには写真などで待合室の雰囲気がわかるところもあるので、参考にされてみてください。
④予診を受ける。
ドクターの診察の前に、予診がありました。
先程記入した問診票を元に、スタッフの方が予診をしてくださいます。
どんな症状が、どのくらいの時期から出ているのか。
何が原因なのか。
その症状によって困っていること。
普段の気分転換の仕方や、食事や睡眠が取れているかなど。
いろいろ質問してくださるので、素直に思ったことをそのまま話せば良いです。
話しているうちに、話したいこと、聞いてほしいことがあふれて順番がぐちゃぐちゃになってしまうかと思います。
でも大丈夫です。
なぜなら相手はプロの方だからです。
辛抱強く、自分でも何を話しているのか分からんぞ?という話を根気強く聞いてくださいます。
受診前は落ち込んでいた気分が、この時点でだいぶ落ち着いて来ます。
聞き取りを終えると、再びドクターの受診待ちとなります。
スマホを眺めてぼんやりしてもいいし、持ち込んだ本や院内に置いてある本を読んで過ごすのもいいと思います。
私が行ったクリニックでは、待ち時間を自分の車で待つ、という選択もできました。
受診時間が近づくと電話をかけてくれるシステムです。
プライバシーが気になる方はそのようにして待ち時間を潰すこともできます。
⑤いよいよドクターの診察を受ける。
診察の順番が回ってきて、診療室に入ります。
診察は、主に聞き取りでした。
先程の予診結果を見ながら、ドクターが問いかけてくれるので、それにに答えていきます。
ポイントは、共感、そして問題を解決するにはどうしたら良いのかを一緒に考えてくれる点です。
あと基本的に全肯定しながらお話を聞いてくださいます。
そして、都度都度でやさしく話しかけてくれるので全く緊張することもなく、素直に話すことができました。
私の場合は、頭痛や不眠、やる気が起きないなどが不快症状として現れていました。
原因として考えられるのは「仕事のストレス」。
希望は、できれば退職したいが、人手不足なのもありなかなか言い出しにくく悩んでいる、といった感じです。
私の話を聞き終わったドクターは、
「今の職場で向精神薬などの副作用の出るような薬を飲んでまで、仕事を続けることが貴方のためになるとは思えない」
「人手不足も、後任者もそれは会社側が考えることなので関係ない」
「サクッと辞めちゃいましょう」
実にあっさりとおっしゃてくださったので拍子抜けしたのを覚えています。
同時に、すごくホッとしました。
「今まで他の職場でミス無く仕事をこなしてきていたのだから貴方に問題はない」
「多分相性が悪かったのだと思います」
薄々自分でも分かっていることだとしても、やはりドクターという権威性を持った方に断言していただけると、それだけで安心できます。
「貴方は何も悪くないですよ」
そう言ってもらえて、泣きそうになりました。
誰も、職場で私にそう言ってくれる人がいなかったからです。
「きっと頑張りすぎちゃったんでしょうね。もう頑張らなくていいんですよ」
ずっと欲しかった言葉をいただけて、心底嬉しかったです。
ちなみに診断名は「適応障害」。
強いストレス状態に反応して、体が変調をきたしていたようです。
幸い「軽め」との診断だったので、そこにもホッとしました。
診察時間は、30分にも満たなかったと思います。
それでも、自分を否定しない人に話を聞いてもらえるのは思えば随分と久しぶりで、安堵した気持ちで診察を終えました。
どのくらいの費用がかかるの?
気になる診察代ですが、私の場合は薬代を含めて3000円程度でした。
「薬ではなく、気分が落ち着く漢方薬で少し様子を見ていきましょう」
とのことで、漢方薬を処方していただきました。
この金額が安いと感じるか高いと感じるかは人それぞれだと思います。
私にとっては安く感じました。
3000円払って自己啓発の本を買ったりセミナーに参加するよりも、あるいは友人と食事に行って話を聞いてもらい一時的にスッキリするよりも、ずっと効果があると感じました。
実際退職の意向を伝える時も、「心療内科を受診」「適応障害」という言葉を出した途端すんなりと話が進みました。
(余談ですが病院の名前を出すまで全力で引き止めようとされたので、やはり会社としても心療内科、病気というキーワードには敏感なようです)
まとめ
今回は、心療内科を受診したときの経験談をお話しました。
私自身一番驚いたことはやはり、思っていた以上に患者さんの数が多いこと。
しかも、老若男女関係なく様々な方がいらっしゃいました。
(もちろん、プライバシーは保たれているので、他の患者さんのお顔を拝見したわけではありません。たまに聞こえてくるお声などから判断しました)
私が考えている以上に心の病やストレスで悩んでいる方々が多いこと。
そして心療内科を受診する、ということはそんなに特別なことではないこと。
なんだ、こんなに楽になるのなら、もっと早く来ればよかった。
クリニックを出たあとに私の頭に浮かんだ感想です。
でも、本当に切羽詰まっている人や、辛くて苦しんでいる人は、心療内科という選択肢が頭に浮かんでこないかもしれません。
自分で気がついて受診できるならそれにこしたことはありません。
貴方の周りに、仕事や家庭環境、その他の理由で悩んでいる方は居ませんか?
あるいはいつも愚痴を言っている人や、つらそうにしている人、急に口数が減った人など。
心療内科を受診するきっかけは、健康診断のストレスチェックで引っかかった、とか、家族や同僚に勧められて、ということもあるそうです。
身近な人に指摘されるまで、うつ状態や適応障害を起こしていても、本人はなんとも思ってないパターンもあります。
シンドイ人は、少し話を聞いてもらうだけでも随分と心が軽くなります。
もちろん、それは友人や家族でも構いません。
それでもやはりプロに聞いてもらうことは、重要だと言いたいです。
心療内科での診察を迷われている方、興味がある方。
ぜひ一度思い切って受診されてみてください。
きっと自分が考えているよりずっと、心の重荷が取れて、楽になりますよ。
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