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【働いたら負け?】最低賃金Dランク県から見る非正規雇用の今後

投稿日:2021年4月5日 更新日:


総務省統計局が2021年2月に発表した、2020年分の労働力調査の結果によると、日本の労働人口における非正規労働者の割合は約4割になったとのことです。

(上記の写真は厚生労働省ホームページよりお借りしています)


私も前職は非正規での雇用形態でした。


栄養士として病院で勤務していた時は正社員を合計13年、その後飲食店で正社員1年・パートで半年、前職でパートを1年といった経歴です。


「正社員から一度転落すると正規雇用に戻ることはできない」


そんなジンクスを地で行くような経歴ですが、私自身としてはパートという雇用形態も悪くなかったな・・という感想です。

と、まあ思い出話は横に置いておきまして、私自身次の就労先もパート就労(非正規雇用)をしようかと考えています。


そこで気になってくるのが時給です。


まだ本格的に次の就労先は探していませんが、たまに求人検索アプリや情報誌などを眺めている時一番先に確認するポイントはやはり時給です。


私が住んでいる大分県は最低賃金が792円です。(2021年/4月現在)


一番高いのは東京都の1013円、一番低いのは大分含め青森など16県で792円です。

最低賃金低すぎ問題


一番高い地域と、一番低い地域で単純に221円の差がある最低賃金。


最低賃金は都道府県ごとに異なり、毎年改定ための議論がなされます。


物価の上昇や、政府の働きかけもありここ5年で約100円前後最低賃金は高くなっています。(厚生労働省のサイトより



最低賃金792円。



でも今どき最低賃金で募集をかける企業なんて、、、ないでしょ??と思われるかもしれませんが、大分を舐めてはいけません。


普通にあります。
(内緒ですが雇用先は全国展開している企業です)



全国最低クラス、最低賃金の募集で、雇用主が求めるのは一体どんな人材なんだ・・。


と悩んでしまいますが、彼らが求めるのはいたって普通の人間です。


普通とは「読み書き計算ができ、五体満足で、(既存の従業員とトラブルを起こさないため)くちごたえせず、コミュニュケーションがまともに取れ、きちんと毎日時間通りに出勤し、(急に休まれると困る為)身体は丈夫で、仕事も教えればそれなりにこなせるようになるけどボーナスも昇給もないパート雇用で良いよ」と言ってくれる人間です。



果たして労働人口自体が減少していく日本で、そんな「普通の人間」が最低賃金で働いてくれるのでしょうか・・。


賃金が低いからといって業務内容が簡単な訳ではない



最低賃金で募集なんて、、でもきっと仕事の内容が簡単だからじゃない?


もしくは土日祝日、正月やお盆の休みが確定しているとか・・。



そんな考え方もあるでしょう。


実際先程最低賃金で募集をかけていたのは工場系の企業です。

お正月休みなど、比較的厚く確保されています。


しかし、応募の前に一度よく考えてみる必要があります。


それは、業務内容についてです。


面接で聞いたとしても、実際に勤務してみるまで実は難易度は分かりません。


それは、人には「向き」「不向き」があるからです。


例えば「簡単な皿洗い」と聞いていても、手は荒れて、腰は痛めるで辛く感じる人もいるでしょう。


逆に、単純作業大好き!という方もいらっしゃるでしょう。


就労してみるまで自分に向いているのか、いないのか。


就労する側も、面接にかかる時間や手間、出費などある程度リスクを負っています。


そのリスクを考えた時、私にはやはり最低賃金のところに「ワンチャン楽しい職場(仕事)かも!」と思って申し込むという選択肢はありません。

最低賃金が低いことによりさらに問題がおこる


最低賃金限度額で募集をかけている企業は多々あります。


別にそれ自体は法律違反でもなんでもないし、実際人件費にゆとりがないんじゃ!何が悪いんじゃ!という企業側のご意見もごもっともだと思います。


しかし、最低賃金が低すぎるという問題は他にも弊害を起こすと考えています。

それは「時給と業務内容見合ってないんじゃない?」問題です。


もしくは、「たかだかその時給なのににいろいろ背負わせすぎ」問題と言いかえてもいいです。


私は残念ながら人生で一度も雇用主側の経験がありません。


せいぜい正社員の時代、雇用面接に同席した程度の知識しかありません。


なので、大手求人募集サイトに掲載されていたアルバイトの時給の決め方というコラムをご紹介します。


ざっくりまとめると、そのサイトでもアルバイトの時給を決める時は「最低賃金」と「近隣の同業多種の募集相場」、「労働市場の相場」を参考にしましょうと書かれていました。


数値的にはっきりとしているのは「最低賃金」のみです。

あとはなんとなく周りを見て決めましょう!


え?


この時給だったら自分(雇用主)でも喜んで働くなぁ〜!と思える金額じゃなくて?


もしくは収益に対して〇〇割程度を人件費に充てましょう!とかでもなく??



そのふんわりとした基準の結果、雇用主側としては「ちゃんと最低賃金以上で募集をかけているのに普通の人が応募してこない・・。何故なんだ」という労働市場とのミスマッチを起こします。


以下の画像は以前、地元の有名カフェ店が人員募集をかけていたときのスクリーンショットです。(怒られると怖いので内緒にしていてください)


ちなみに仕事の内容は、カフェ業務です。


しかしそのカフェ業務も、「店主の留守を任せられるようになってほしい」=店長代理レベルそうです。


そしてそのカフェはいわゆるブックカフェなので、カフェ業務に加えて「新刊書店」「古書店」「イベントの仕事」があるそうです。


この求人内容を見て「昇給の可能性あるじゃん!」や「手当がなんだかいっぱい付きそう☆」と考える方もいらっしゃるでしょう。


または、「時給800円なのにいろいろ求め過ぎじゃね?」と考える私のような方もいらっしゃるでしょう。


どちらにせよ、上記のカフェは現在、本来の営業時間を短縮して営業しています。


営業時間短縮について、もちろん人員不足のためとは書いてありません。


ただの邪推です。


ちなみにカフェとしては雰囲気もデザートの味も良いのでたまに「お客側」として通っています。


もうちょっと条件が良ければ「雇用される側」にまわってもいいんですけどねぇ。。


2021/8追記
同条件にて再び従業員募集がかけられていました。
応募が無かったのか、すぐに辞めてしまったのか・・いずれにしても邪推でしかありませんが、未だ人員は不足しているようです。

あれ?生活保護を受給したほうがマシな生活が送れるんじゃ?


生活保護を受給した時にいくら受給できるのか、自動計算してくれるサイトがありました。(https://seikatsu-hogo.net/


大分県の最低賃金は792円。


792円×8時間×週5日×4週間=126,720円。

実際こちらから税金などが引かれていきますので、手取り給与は更に減ります


そして上記のサイトで、現在独身30代女性の私が大分県で生活保護費を申請した場合いくらもらえるのか計算してみました。

月額100,620円。


もちろん、決定額ではなく目安の金額です。


しかし目安でも、住民税や所得税、医療費負担もなくなり、家賃補助もあるので実際に受ける恩恵は思っているより多いと感じます。


ちなみに最低賃金でも一生懸命働いた場合、年収は103万円を超えるので、所得税も住民税もばっちり引かれます。


え?

国民の義務である勤労を果たしてこの仕打ち・・?

一日中働いて、身を粉にして・・?


生活保護申請24.8%増加 新型コロナ影響で


新型コロナウイルスの影響で、生活保護申請が増えているとのことですが、果たして感染症の影響だけでしょうか?


日本が不況なのは新型コロナウイルスの影響だけではありません。


増税前からすでに日本の経済成長率は頭打ち、不況真っ只中です。
日本の経済成長率が「世界最低」である、バカバカしいほど”シンプルな理由”より参照


加えて私が子供の頃から少子化問題は教科書に載っているくらい問題視されていましたが、一向に解決せず(私も寄与できていませんが)、給与から天引きされる社会保障費は年々上がっている。


一生懸命働くよりも、生活保護を受給したほうがよほど人間的な生活を送れるのでは・・?


「働いたら負けかなと思っている」


2004年、某テレビ番組の「ニート特集」で飛び出した名言ですが、いや、ちょっと笑えない状況です。

非正規雇用は今後も増加する それに伴って最低賃金も上昇する・・・はず

随分回り道をしてしまいましたが、まとめに入りたいと思います。


非正規雇用の就労人口は今後も増加する、というのが私の考えです。


考え、というのもおこがましいくらい、火を見るよりも明らかな流れですね。苦笑。

✔ 正規雇用社員を抱えられる体力がある企業がどんどん減っていく


大手企業トヨタ社長の「終身雇用制度を維持するのは今後難しい」発言を聞き、驚いた人もいたかもしれません。


トヨタで無理なら、他の企業でも到底無理だと考えるのは私だけではないはず。


定期昇給、定期賞与、おまけに能力や就労態度に問題があっても解雇はほぼできない。


そんな見方によってはリスクだらけの社員を抱えられるほどの体力を持っている日本企業は、どんどん減っていくと思います。


昔はそんな正社員の雇用を守るための「調節弁」が非正規雇用だったはずですが、すでに正社員の雇用自体を守れなくなったのでしょう。


むしろ人件費のリソースをいわゆるジョブ型雇用などで雇った優秀な人間に割かなければ、企業が生き残っていくこと自体が難しい。


そう考えます。

✔ 就労人口の過半数が非正規雇用になる日も遠くない


現在就労人口における非正規雇用の割合は約4割。


今後、ますます非正規雇用の割合は増えていくでしょう。


問題なのは、私のように非正規雇用でも良いかな・・ということではなく、正規雇用を目指しているが非正規雇用枠でしか採用されない人口が増えていくことです。


企業側としては、原材料費、物価の高騰に伴った費用の増加や不況による経済の停滞が懸念されます。


できる限り非正規雇用で人員をまかないたいと思うのは自然でしょう。


他にも、少子化も進むことからさらなる社会保障費の負担額上昇も現実的です。


消費税増税説、復興税に変わるコロナ関連増税説・・不安材料を数えれば切りがない。


そして、最低賃金を上げていかなければ結局生活保護受給を選択せざるを得ない人が増えます。


「最終的には生活保護がある」


日本国の首相はそうおっしゃいましたが、国民の立場から言えば、


ターミナル(終末)に行くまでに助けてくれよ!って感じです。


非正規雇用人口が増加していく以上、結果的に

✔ 最低賃金を上げざるを得ない状況になる


というのが私の考えです。


もちろん毎年改定があるわけではありません。


昨年はコロナ禍を理由に引き上げが見送られてしまったし、経団連的にはもちろん最低賃金は上げて欲しくないので、邪魔が入るかもしれません。


しかし、日本がデフレ脱却を目指す以上物価上昇は避けられませんし、それによる最低賃金の見直しも避けられません。


願わくば、2021年は改定がありますように。


改定があれば10月から最低賃金が上がります。


秋になったら、本気だそっかな〜!

2021/8 追記


最低賃金の見直しが行われ、10月より最低賃金は全国平均で28円アップすることになりました。

大分では最低でも820円に最低賃金が上昇します。
(実際の上げ幅は、県によります)

個人的希望は最終的に1000円を越えてくれれば、と思っています。


関連記事:【読書感想文】みんなはアイスをなめている

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