転職、あるいは退職にともなう有給消化。
有給消化中は、給与も保証されており、しかし出勤もしなくて良いので経済的不安もなく、やりたかったことに注力したり、体または心を休めるのにうってつけの期間です。
転職が決まっている方は、次の職場、職業に向けて勉強したり、準備したりと忙しい日々を過ごされているかも知れません。
退職するけれど、次の就職が決まっていない、という方は有給消化中になんとか新しい就職先を見つけたいと躍起になっているかもしれませんね。
または、退職後しばらくゆっくりしてから就職活動を始めたいと思っても、なんとなく何もしない日々に罪悪感や居心地の悪さを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そのように不安を覚えている方に向けての記事になっています。
いっしょうけんめい のんびりしよう。
この言葉に耳覚えがある方もいらっしゃると思います。
言わずと知れた「ドラえもん」に出てくる「のび太くん」のセリフです。
最近では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的でステイホームが推奨された時に、標語として改めて目にされた方も多かったのではないかと思います。
「のび太くん」は他にも、「あったかいふとんでぐっすりねる!こんな楽しいことがほかにあるか」などの素晴らしいのんびりマインドを発揮しています。
突然ですが、皆さんは最近「いっしょうけんめいのんびり」したのはいつですか?
「なんとなく」「気がついたら」「することもなく」「出かけられずに」ではなく「いっしょうけんめいのんびりする」。
私たちは、日々仕事では生産性向上や売上貢献、はたまたタイトな締切に追われています。
帰宅したらしたで、今度は家事や雑務に追われる生活。
絶え間なくVoicyやSpotifyなどの音声配信で、スキマ時間に情報を浴び続ける毎日。
気がつけば、You tubeや雑誌で眺める憧れの「丁寧な暮らし」とはかけ離れた人生。
大半の人が、無意識のうちに時間に追われながら、効率や能率を追い求めて生きています。
現代人は忙しい生き物です。
平均約8時間働くとして、通勤に1〜2時間程度かかるとすると仕事に費やす時間は約10時間。
睡眠時間や家事などの雑務を行う時間も確保しなければなりませんから、本当に自分のやりたいことにかけられる時間はせいぜい多くても2〜3時間が限界です。
そしてその時間も、興味の無いテレビや惰性で見ているYou tubeを流し、やりたいことはせずにぼんやりと過ごしている。
しかし、有給消化中は勤務や通勤に充てる時間がなくなります。
浮いた10時間をどう使うのかは人それぞれ、自由です。
それって、実に素敵なことだと思いませんか。
有給消化中の方は、「いっしょうけんめいのんびり」できる時間が持てるのです。
「やらなくてはならないこと」が「やりたいことにかわる」日々
働いている間は、どうしても後回しにしがちな家事や雑務。
たとえば部屋の掃除だとか、衣替えや、整理整頓。
いつのまにか穴が開いた靴下や、吸い取りが悪くなったタオルの買い替え。
通販で届いたダンボールの処分や資源ごみの片付け。
そして部屋のフローリングにはホコリや髪の毛が散らばっている・・。
本当はきちんと掃除して、いつでも心地よい部屋にしたいのに、見て見ぬ振りをする、、、。
残念な状態の部屋。
実は、この残念な部屋の主は私です。
忙しい、とかやる気が出ない、とか後回しにしてきた家事を、有給消化中の今、ようやく手をつけ始めました。
もちろん一気に片付ける、とはいかず日々気の赴くままに、という程度ですが・・それでも部屋がちょっとずつ片付いていくのはとても嬉しいし、気持ちが良いです。
なんとなく避けがち。
でも「やらなければならないこと」。
それが、「仕事」というものがなくなった途端、「やりたいこと」に変わりました。
もともと掃除が好き、というタイプではありませんが、それでも「居心地の良い部屋で過ごしたい」という目的のため、ちょっとずつ片付けています。
周りの人から見れば、職探しに時間を充てたり、勉強に充てたりしたほうがはるかに生産性が高かったり、有意義だったりするでしょう。
もちろん、いつかは再就職のためそれらは「やらなければならないこと」です。
しかし、それは今の私にとっては「やりたいこと」ではありません。
「いっしょうけんめいのんびり」した先に、それらが「やりたいこと」に変わった時、動き出そうと考えています。
一食を大切にする日々
私は今まで食に関する仕事をしてきました。
なんとなくで進んだ道でしたが、それでも10年以上飲食関係に身を置いているところからすると、そうとう食い意地がはっているようです。
料理も食べることも大好き。
でも人間ですから、食べたくない時だってある。
それでも「仕事」を抱えている時は、食べざるを得ない状態でした。
お腹が空いていないけれど朝ごはんを食べなければ、途中でバテて動けなくなるかもしれないから無理やり食べよう。
お腹が空いていないのに、検食をしなければならない。
お腹が空いていないけど、休憩時間中に食べなければ夜ご飯まで何も食べられない。
でも、「仕事」を手放した今は違います。
朝起きてあまりお腹が空いていない時は「のんびり」。
ストレッチでもして、お茶でも飲んで、お腹が空いたらご飯の準備に取り掛かります。
ご飯も、食べたいと思ったものを食べる。
時間が無いから、手間をかけられないから、といって調理パンを口にねじ込んだり、お菓子を食べながら運転(出勤)したりしなくても良いのです。
珈琲が飲みたいな、と思ったらパン食。
お茶が飲みたいな、と思ったら和食。
そんな、自分の気持ちや声に寄り添ってご飯を準備します。
そして、そんな日々に心から幸せを感じます。
いっしょうけんめいのんびりしよう。=一生懸命自分を大切にしよう。
私は現在、とても贅沢に時間を使って過ごしています。
基本的に、やりたくないことはやらないし、眠たくなったら寝るし、お腹が空いたら食べたいものを食べています。
「仕事」を抱えていると、なかなかそうはいきません。
眠くても無理やり起きて出勤しなければなりません。
やりたくない仕事でも、やらなければなりません。
苦手な人とも、それなりにコミュニケーションを取らなければなりません。
休憩時間にお腹が空いているとは限りませんし、トイレ休憩も自分のタイミングでいけないことのほうが多いです。
もちろん、経済的にある程度保証されている有給消化中だからこそ、のんびりと、自分を大切にできるのかもしれません。
でも、のんびりとすることに罪悪感や、不安などを感じる必要性はどこにもありません。
何か有意義な時間にしなければならない、誰かの役に立たなければならない、なんてことはただの思いこみです。
もし、貴方にとっての「しなければならないこと」が、「したいこと」に変わるタイミングが来たら、その時こそ動き始める時です。
その時が来るまでは、自分の心によりそって、「いっしょうけんめいのんびり。」しましょう。
私もまだまだ、「いっしょうけんめいのんびりしている」途中です。