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私はもう、箸が転んでも面白いと感じることができないのだ

投稿日:2021年9月29日 更新日:

箸が転んでも面白いとは、15才くらいから18才くらいの年頃の若い娘が、なんでもないことを見たり聞いたりして笑いだしたりする様を指していう言葉。

感受性が豊か、多感、無邪気であるという表現でもある。


最初に断っておきますが、この記事を書いている私の年齢はアラフォーです。


若くもなく、まして10代なんて遠い昔の日々なのですが良いタイトルが思いつかなかったのでこのまま書きたいと思います。


厚かましくて、すみません。



最近、コロナ禍前後を通して様々な物事に対する価値観が変化している人は多いと感じます。


もちろん、私もその内のひとり。


自分の人生観で言えば、働き方、時間の使い方、お金の使い方だったり。


その「枠」を少し広げると、労働環境や社会保障、経済活動を取り巻く環境など、日本の現状が目に入ってきます。


そしてその「枠」を更に大きく広げると、地球環境(温暖化、海洋資源など)や、飢餓・貧困問題、ジェンダーギャップなど世界の現状が目に飛び込んでくるでしょう。


最近何かと流行りのSDGsやエシカル消費という言葉。


私は、自身の働き方を見直した結果、幸い余暇時間が増えました。


そして、収入が下がったこともありますが、お金の使い道をよく考えるようになりました。


どんな消費の仕方をすると、自分にとってストレスになるのか。


または、自分にとって本当に納得できるお金の使い道は?


それが良いことなのか、悪いことなのか。


自分でも少し、迷いが生じています。

エシカル消費ってなんなんだ


上記の文字ばかりでとても分かりづらい写真は、消費者庁のホームページからお借りしています。


エシカル消費とは、「倫理的消費」ということ。


SDGsの目標で言えば、「12:つくる責任、つかう責任」になります。


消費者(購入する側)が、社会的課題の解決を考えたり、そうした課題に取り組んでいる企業を応援しながら消費活動を行うことです。


エシカル消費を考慮している商品には、昔からある言葉で言えば、「フェアトレード」「リサイクル商品」などの単語が記載されていることもあります。


反対に、その倫理観が守られていない(というか人権侵害がある)として、ユニクロのシャツがアメリカから輸入差し止め措置を受けたニュースをご存知の方も多いと思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210519/k10013040661000.html

ユニクロのシャツが実際に人権侵害による不当労働行為の末安価に製作されたものであるのか、ただの企業努力によるものなのかは分かりません。(証拠不十分として現在も輸入禁止措置は続いています)


人件費や材料費を安く抑えるのが企業努力そのものだ。

むしろ企業の価値だ、とする見方もあるでしょう。

加えて中国とアメリカの関係性もあるでしょう。


しかし、世界的に見ても、今後SDGsやエシカル消費への取り組みが加速度的に進んでいくのは間違いありません。

アルバイト募集要項に違和感

たまにランチやカフェを楽しんでいると、素敵なお店の入り口にアルバイト募集の張り紙が出されているのをよく目にします。


どこも人手不足なのでしょう。


最近では、気になったお店のアカウントをInstagramでフォローしていると、同じくアルバイト募集のストーリーが流れてくることも。


そして、どのお店も最低賃金(大分県は2022/10より854円)ギリギリの設定で募集が打ち出されています。


立派な店構えをしているお店でも、少し高級感のあるディナーレストランでも、です。


正社員で雇用されている時には全く感じなかった違和感。


恥ずかしながら、パート従業員として時間給で雇用されるようになって初めて意識するようになりました。

商品と価格そのものだけを見ることができなくなった

例えば居心地の良いブックカフェが、店長候補を時給900円で募集していた時。


また、従業員の生活を守るために商品の価格設定を少し高めにしていると言っていたお店のアルバイト(土日勤務必須)が時給860円で募集されていた時。


高級感のあるレストランのアルバイト募集が時給870円だった時。


現在自分自身がパート労働者として働いている私は、強烈な違和感を感じるようになりました。


その時給で募集しなければ、人件費がかかりすぎて経営が立ち行かないのかもしれません。


アルバイトはそのお店の店長からすれば、従業員というくくりに入らないので生活を守る必要性がないのかもしれません。


人件費を安く抑え、その分材料費に回すことでクオリティの高い食事を提供するためかもしれません。


理由はそれぞれあると思いますし、その理由に文句を言う気もありません。


けれども残念なことに、私が稼いだお金を、私がどこで使うのかの権利は、私が持っています


違和感を覚えるお店や、その商品に、使いたくない


なぜ商品の価格設定がその値段なのか。


あるいはなぜそのお店のアルバイトの時給がその設定なのか。


純粋な気持ちでその商品やサービスを享受するだけでなく、そう考えるようになってしまったのです。

その消費行動に納得できるか

エシカル消費とは、倫理観に基づく消費のことです。


それは、いわゆる大量生産・大量消費社会とは真逆の考え方です。


たくさんモノを所有したい、高級なモノを所有したいという価値観から抜け出して行く人たちはどんどん増えています。


「家」や「車」を所有することがステータスであった時代は過ぎ去り、借家やカーシェアリングを選択する人もいます。


少し前まで季節ごとに衣服を大量に購入していた人でも、着回しのできるシンプルな、あるいはユニセックスな型を選ぶという人もいるでしょう。


食べ物でも、フードロスを削減する取り組みはあちこちで見受けられます。


もちろん、全ての消費行動に責任を持つのが理想ですが、そこまでには至らないのが現実です。


人件費の安さや、大量生産のおかげで価格が低く設定されている商品はたくさんあります。


そしてその価格の低さに、私自身が助けられている部分もあります。


通販する時はできるだけ送料無料のモノを選んでしまいますし、外食時だってメニュー表で最初に目に飛び込んでくるのは価格です。


それでも、感じた違和感を無視して今まで通り消費行動を続けられないと考えています。



もう私は、箸が転がっただけでは面白いと感じなくなってしまったのです。



関連記事:【働いたら負け?】最低賃金Dランク県から見る非正規雇用の今後

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