無職になって約半年、そろそろ生活費のために働くか〜と思い、仕事探しの大手検索サイトや、情報誌のページをめくる日々を送っています。
1日8時間。
昇給、賞与あり。
それも雇用期間の定め無し。
20代の頃はそんな条件ばかり追い求めて検索していました。
しかし契約書に記載があっても、賞与はスズメの涙。
昇給もほぼ無し。
上がったとしてもすぐに社会保障費や消費税も上がるので、結局手取り分の給与はたいして増えない。
そんな社会人生活を、気がつけば10年以上送ってきました。
それならばいっそ、一定の業務量、一定の責任、一定の時給労働で働いたほうが、ライフ・ワーク・バランスの充実が叶うかもしれない。
むしろ、いろんな職種にチャレンジしてみたい、いろんなスキルをかじってみたいと思い、派遣会社に登録することにしました。
ここがヘンだよ派遣労働法
私自身、派遣会社に登録申請するまで全く知らなかったこと。
それは短期間の就労の場合、労働する側にも条件があるということ。
土日のみ本業の合間に働きたいという人や、お盆や冬休みなどの短期間(1週間程度)働きたい、という人もいらっしゃるかと思います。
しかし、そのような短期間(30日以内)の働き方ができるのは、労働者派遣法に明記されている条件をクリアした方のみなのです。
・60歳以上の方
・学生の方(雇用保険の適用を受けない昼間学生に限られる)
・年収が500万円以上の方
・世帯収入が500万円以上で主たる生計者でない方
上記の条件を満たしていなくても、業種によっては労働は可能です。
例えばライブやコンサートのイベントスタッフなど、業種によっては短期間の労働は可能です。
しかし、上記の条件を満たさない方は、特別なスキルを必要としない作業労働や単純労働など、本当にスキマ時間で稼ぐにはうってつけの業務に関しては法律で禁止されています。
上記の条件を満たさない方が、日雇い派遣業務などで稼ごうとする時は、派遣会社と31日以上の労働契約を結ばなければなりません。
ややこしいですね。
低収入の人は期間選択の余地がない労働者派遣法
短期間(30日以内)のみの、派遣労働のスタッフとして働くには条件があります。
問題はその条件です。
・60歳以上の方
・学生の方(雇用保険の適用を受けない学生に限る)
・年収が500万円以上の方
・世帯年収が500万円以上の方で主たる生計者ではない方
(主たる、とは例えば世帯年収が500万円だとしたら50%以上をしめる方)
短期間での派遣労働で稼ぎたいと考えた時、果たしてこの条件にあてはまる人がどのくらいいるのでしょうか。
法律が指し示す短期派遣労働者のイメージは、
「年金受給まで期間がある定年退職後の人」
「昼間学生(夜間大学や通信制の学校に通う学生は除く)」
「パートナーの稼ぎが500万円以上ある専業主婦(夫)」
「家庭全体(夫もしくは妻やこども含む)としての収入は500万円以上あるが、自らの年収が250万円未満で、もうひとつ仕事を掛け持ちしたい方」
といった感じでしょうか。
ざっくりと言えば、生活費には困っていないけど時間が余っていて家計(あるいはおこづかい)の足しにしたい人です。
実は、アルバイトやパートなどの直接雇用とは違い、派遣労働の方が賃金は高めです。
お盆や正月などの短期間や深夜労働などは特に高めの時給設定がされています。
さらに言うのなら、直接雇用のアルバイトやパートで、お盆や正月もシフト通りに出勤しても時給設定や祭日手当は会社によっては付与されないことも多いです。
ある調査によると2020年、サラリーマンの平均年収は約433万円だそうです。(ARUHIマガジンより参照)
そもそも年収が500万円以上ある人は、すでにこの日本では少数派なのではないでしょうか。
きちんとした昇給や安定した雇用関係があれば、昨今盛んにもてはやされている副業解禁の波はきていないはずです。
というか年収500万円もあったら副業で派遣労働なんてしませんし、私だったら本業に力をいれて昇給や昇格を狙います。
本業の年収が低く、少ない生活費でなんとかやりくりしている人や、昼間働いて夜間や通信制の大学に通っている人こそ短期間でガッツリと稼ぎたいはずです。
1986年に施行されて以来、労働者派遣法は幾度となく改正が行われています。
日雇い派遣の原則禁止の法改正がなされたのは、2012年。
その時は派遣切りなどの社会問題が背景にありました。
約10年経ち、社会情勢に伴う国民の経済状況、また雇用側の人手不足も悪化し続けています。
すでに、日雇い派遣についての改正が行われるべき時が来ていると感じます。
条件をクリアしていない人は、労働契約が31日以上必要
・60歳以上
・学生
・年収500万円以上
・世帯主の年収が500万円以上で自らの年収は250万円未満
上記の条件を満たさない人が派遣会社に登録して労働しようとする時、その時は短期間(30日未満)の労働契約ではなく、31日以上の長期労働契約が必要です。
少し重たくないでしょうか。
気軽に食事に誘いたいだけなのに、結婚前提に申し込まなければならないような重さを感じます。
もしお相手との相性が悪いと感じたら?
とまぁ、それは単なるたとえ話ですが、派遣された会社や上司との相性が悪いなんて話はザラにあります。
提示された条件は良くても、人間関係が悪いとか。
そしてそれは実際に勤務してみなければ判断しようのない事実です。
3日間なら耐えられる仕事でも、2ヶ月耐えるとなるなら話は別です。
法律上の解釈に沿うのなら、世帯収入が年500万円以上無いのなら短期ではなく、長期で働くべきなのでしょう。
しかし長期間働くことが前提ならば、派遣社員ではなくきちんと昇給、賞与ありの直接雇用の正社員を目指します。
私が理不尽さをどうしても感じてしまうのが、自らの意思によってではなく、法律によって低(無)収入の人は長期派遣業務にしか就労できない点です。
そして、生活費にゆとりがある人は、短期でも長期でも自由に選び取れる点です。
私は、貧困であるという解釈のひとつは選択肢が少ないことだと考えています。
まさに、低収入の人にとって、選択肢が意図的に減らされている状況の現労働者派遣法について、疑問を感じえません。
31日以上の労働契約をすれば勤務日数は1日でも可?
実は、先述した労働者の条件をクリアしなくても、短期間の派遣労働に就業することも可能です。
派遣会社との労働契約期間が31日以上であれば、実際に勤務した日数が一日でもOKなのです。
実際私は現在データ入力の派遣業務に就業しているのですが、契約書類上は31日の契約になっています。
が、業務内容や派遣先の都合もあり、予定されている勤務はおよそ2週間です。
なお募集時、派遣会社のサイト上では約1ヶ月の募集期間となっていました。
条件をクリアした人で応募してきた人がいなかったのか、、、どちらにせよ現場ベースでの調整は各派遣会社で行われているようです。
ただ他に面接を受けようとした派遣会社ではあっさりと断られてしまったため、やはり法改正をしてもらいたいと感じます。
ライフ・ワーク・バランスの実現とは
それは仕事と人生の両立です。
ただし、このバランスは人によって違うのがポイントです。
仕事と人生がちょうど50%ずつの人もいれば、仕事が多めで70%、残りの30%で人生を楽しみたいという人もいるでしょう。
仕事を辛いと思わない、天職であると感じている人は両方が100%の比率であるということも可能です。
働く時間や期間も、働く業種も自由に選び、人生を楽しみたい。
そんなの夢物語だ、わがままだ、とおっしゃる方も多いでしょうが、なにせこの政策を推し進めているのは国です。
流れに逆らわず、ライフ・ワーク・バランスの充実を図り、副業解禁の波に乗りましょう。
そのためには、法改正は時代や経済状況に順じ、常に見直しが行われるべきです。
同一労働同一賃金や、最低時給の改正など、少しずつではありますが、取り組みが進んていっている印象も受けます。
労働者派遣法の、日雇い派遣の条件が改善されることを願います。
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