アート

【大分県立美術館】OPAM×ウェールズ国立博物館 友好交流MOU締結記念展【感想】

投稿日:2022年10月11日 更新日:

2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ。


大分スポーツ公園総合競技場でも試合が開催され、ラグビーの選手だけでなく、サポーターやたくさんの世界中の人々が大分に訪れました。


その時の縁をきっかけに、2022年3月25日大分県立美術館(OPAM)とウェールズ国立博物館は友好交流MOUを締結。


今回の展覧会はその締結記念に、7つの博物館で構成されるウェールズ国立博物館について、またウェールズの文化、産業、観光などについて紹介したものになっています。


展示期間はわずか8日間、観覧料が無料なこともあり、内容もパネル展示が主で非常にあっさりとしていますが、それでも2国の間でこれからさまざまな交流が行われると思うと、わくわくしてきます。

MOUとは
 了解覚書。
 行政機関等の合意事項を記した文書のことで、通常法的拘束力はない。
 了解覚書が最も適用される代表的なものは、複数の国家間の行政機関の間で取り決めを結ぶ場合である。

ウェールズってどこなんだ

上記の写真は手持ちの英和辞典を撮影したものです。


ご存知の通り、イギリスの正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。


イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国からなる連合王国です。


その中でもウェールズは写真のオレンジの部分。


「プリンス・オブ・ウェールズ」と言えば皆さんも聞き覚えがあるのではないでしょうか。


英国の次期国王に与えられる称号がプリンス・オブ・ウェールズで、現在この位にあるのはウィリアム皇太子。


少し前まではチャールズ皇太子(現チャールズ3世)でした。


また、4つの国の間では、微妙に言語や文化が違うようです。


MOU締結書も日本語、ウェールズ語、英語の3言語で作成されました。

オープニング記念セレモニー

上記の写真はOPAM公式Instagramからお借りしています。


展覧会オープニング記念セレモニーには、駐日英国大使であるジュリア・ロングボトム氏も来館され、スピーチをされました。


ロングボトム氏は通訳なしの日本語で終始スピーチをされており、大使には当然のスキルなのかもしれませんが・・そのような方と縁のない私は単純に驚きました。


ラクビーワールドカップ開催時から続いている交流や、ウェールズ特産であるチーズと臼杵みそをかけ合わせた商品、学生の語学交流など、恥ずかしながら全く知らないことばかりで、両国の間では深く縁が繋がっているのだと感じました。


またセレモニーの翌日には日田・小鹿田焼の里で行われている陶芸についても交流される予定とのこと。


セレモニーの最後では、大分県立芸術緑丘高校合唱部による歌も披露され、中にはウェールズの方に直接指導頂いたウェールズの曲も含まれており、若い世代にも交流は引き継がれていくのだと勝手に胸を熱くした次第です。

展覧会概要

職員の方に確認を取りましたが、展覧されているパネルなどはすべて写真OKとのことです。

こちらはウェールズの国旗。


真ん中の赤い竜はそのまま「レッド・ドラゴン」と呼ばれているそうです。


またウェールズラグビー代表選手の愛称も「レッド・ドラゴンズ」です。

(眠そうなカバオくん・・?)
3次元に現れたレッド・ドラゴンさん。

レッド・ドラゴンズのメンバーのサインが入ったユニホームとラグビーボールも展示されています。

廃墟・・ではなく、チャールズ皇太子(現チャールズ3世)のプリンス・オブ・ウェールズの叙任式が行われたカナーヴォン城だそうです。


ウィリアム皇太子もこの廃・・お城で叙任式を執り行うのでしょうか。

他にはウェールズの物産なども展示されていました。


写真左側はノンアルコールのジン、真ん中が伝統的なお菓子のウェルシュ・ケーキ、右のボトルはウェルシュウィスキーだそうです。


お酒は流石に味わうことはできませんが、ウェルシュ・ケーキは館内2Fにあるカフェ・シャリテでいただくことができます。

ウェルシュ・ケーキを食べてみた!

こちらがウェルシュ・ケーキ(単品800円)です。


せっかくなので紅茶をセットでいただきました。
紅茶セットは1200円、コーヒーのセットは1100円です。

ウェルシュ・ケーキの断面。レーズンが入っています。


ウィキペディアによると、温かいままか、冷まして粉砂糖をまぶした状態で食べるそうです。


スコーンなどと違って通常は何もつけないそうですが、お皿が寂しいと思われたのかフルーツとアイスが乗っていました。


軽くリベイクされた温かい状態で提供され、バターのじんわりとした風味が美味しかったです。


食感は、口に運ぶとほろほろとくずれるほど儚く、ナイフとフォークでいただきましたが、本来は手で食べる物なのかしら、と思ったりしました。


伝統菓子だしね。


あと、シンプルでサイズも小ぶりな割にやたらと腹にたまる感覚がありました。


さすが伝統菓子。


いつまでウェルシュケーキセットが提供されるのかは明言されていませんでしたが、遠い異国に思いをはせながらティータイムを過ごすのもオツだと思います。

自然、文化、歴史、魅力あふれるウェールズとの交流を楽しもう

OPAM×ウェールズ国立博物館 友好交流MOU締結記念展は2022年10月16日(日)まで大分県立美術館1Fアトリウムで開催中です。


観覧料無料、パネル展示が主なので、じっくりと鑑賞する、といったタイプの展覧会ではありませんが、これから2国間の交流が楽しみになること請け合いです。


私も今後どのような形でウェールズ国立博物館との交流が始まるのか、楽しみにしようと思います。

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