アート

【アートプラザ】息吹の森から生まれる世界 ステンレス彫刻とテキスタイルアート【感想】

投稿日:2022年10月16日 更新日:

ステンレス彫刻とテキスタイルアート。


全く異なる素材を使った、2人のアーティストによる展覧会が開催されています。


一つの部屋をまるごと使って表現されたインスタレーション作品は、驚くほど美しく調和しており時間を忘れるくらい魅入ってしまいました。


立体的なアート作品にはあまり馴染みがなかったのですが、近づいて見たり、離れて眺めて見たりするだけではなく、下から角度を変えて見たりと、いろんな見方ができて楽しかったです。

息吹の森から生まれる世界 概要

展示されている作品は撮影OK、SNSにアップOKとのことです。


作品が展示されている部屋に入ると、天井まで張り巡らされたステンレスの幹と、空中を美しく漂うテキスタイルの群れたちに目を奪われます。


上記の写真、右側が海のいきもの、左側が山のいきもの、というふうになんとなく分かれている感じがしました。


ただ、あまり決めつけないで世界観に浸り、部屋を歩き回るのも良いと思います。

シルクオーガンジーにスクリーンプリントされた布モービル達が織りなす魚の群れ。


ひとつひとつのモービルが、模様や色合い、その姿かたちまでが美しくて、ちょっとした空気のゆらぎにあわせてゆらゆらと漂う姿はとても幻想的でした。

美しい蝶の、羽のようにも見える軽やかなひらひら。


あまりに儚く美しいので、こんな風に生きていければいいのに・・と歯噛みするような嫉妬心を覚えるくらいでした。


でっかいアンモナイトのステンレス彫刻もカッチョいいです。

大きな切り株から芽を出す新しい息吹は、合金で出来ているはずなのにみずみずしさすら感じさせます。

一方で地面に落ちている枯れ葉。


浮き出た葉脈と、焼き入れられ色付けされた茶色はまるで老人の手の甲のよう。


ステンレス=stainless=錆びない(正確には錆びにくい、ですが)素材で、時間の経過を表しているのか、と衝撃を受けました。

夜にも行ってみた!

開催期間内の金曜日は、20時まで開館しています。


日没してからの会場内もとても綺麗とのことで、10月21日(金)にお邪魔してきました。

太陽の光を失った部屋に満たされるのは、人工的な青いライトの光。


まるで海の中のような、それでいてステンレスに反射したきらめきは近未来のような世界観で、不思議な心地に包まれます。

音も無く漂う海のいきものたち。


ガラス窓の向こうが真っ暗なので、まるで深海のようにも思えます。

日中は太陽の光に負けて目に捉えられない細やかな模様も、より鮮やかに見ることができます。


昼とはひと味違った印象の、夜の展覧会。


20時まで開館しているのが、開催期間中の金曜日のみ(2回)というレアイベントだったのがもったいないくらいに素敵な時間を過ごせました。

大分ゆかりのアーティスト

今回の展覧会は、アートプラザが大分にゆかりのあるアーティストを紹介する「Pickup Artist 展」として企画されたものです。


11回目となる今回は、大分県臼杵市に在住の椎原由紀子さんと、大分県宇佐市安心院出身の芝田知明さんのお二人が参加されています。


(下記写真はパンフレットよりお借りしています)

椎原さんは、「ぬのことば」というホームページで他作品展の様子や舞台美術を手掛けた時の様子を拝見することが出来ます。


いくつか拝見したのですが、ピアノコンサートとコラボレーションされた時の動画があり、音楽とも相性が良いアート作品なのだと感じました。

ホームページhttp://nunokotoba.jp/index.html
フェイスブックhttps://www.facebook.com/nunokotoba
Instagramhttps://www.instagram.com/nunokotoba/

芝田さんは、昨年大分市野津原を舞台にした「のつはるアートコレクション」にも参加されていたようで、作品制作の様子がYoutubeにアップされていました。

パンフレットにもありましたが、大分県内各地で作品を展示したり、二紀展に出品されたりと精力的に活動されているようです。

フェイスブックhttps://www.facebook.com/tomoaki.shibata.12
Instagramhttps://www.instagram.com/tomoaret460128/

改めて振り返ると、全く材質の異なる作品たちが、「自然」というテーマを共通項に不思議とマッチしていたのが興味深かったです。

美しい世界観に浸ろう

息吹の森から生まれる世界 ステンレス彫刻とテキスタイルアート 展は2022年10月8日(土)〜10月23日(日)まで大分市のアートプラザで開催中です。


紹介した写真以外にも、作品のいろんなところにいきものがいたりと、遊びもあります。


ちなみにステンレスでできた「トンボ」は会場内に4匹隠れているそうなので、絵本のミッケを楽しむような感覚でぜひ探しみて下さい。


かぶりつきでひとつの作品を堪能するも良し、作品越しに作品を鑑賞するも良し。


ぜひ、この空間でしか体験できないアートを楽しんでみて下さい。

開催場所アートプラザ2Fホール
開催期間2022年10月8日(土)〜10月23日(日)
開催時間10:00〜17:00
金曜日は20時まで開場
最終入場は修了の30分前まで
観覧料高校生以上100円
小学生以下は保護者同伴での入場
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳掲示者と介護者1名まで無料
ホームページhttp://www.art-plaza.jp/
駐車場有が、公共交通機関を推奨
詳しくは駐車場関連ページ

スロープを上がった先が、2Fホールの入り口になっています。

関連記事:美術館・博物館のこれからについて考える

-アート
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【別府市】書肆ゲンシシャ【行ってみた】

センシティブな内容を含みます。閲覧にはご注意ください。 「書肆(ショシ)ゲンシシャ」。大分県別府市にあるそのお店は、まさに「驚異の陳列室」。人骨を使用した楽器や、人の皮を装丁に使用した本、戦時中に製造 …

【大分県立美術館】GENKYO 横尾忠則「原郷から幻境へ、そして現況は?」【感想】

少し目のやり場に困るような、しかし何故か視線を外せない。そんな印象を与えるポスターが入り口にデカデカと掲げられた展覧会にお邪魔してきました。大分県立美術館で開催中の、GENKYO 横尾忠則「原郷から幻 …

【大分市】大分路上観察学会「oita 超/芸術 city 2022」【感想】

大分市竹町商店街の一角で、滋味深い展覧会が開かれています。タイトルは「oita 超/芸術 city 2022」。大分路上観察学会の活動報告にあたる展覧会だそうです。大分路上観察学会のFacebookは …

【大分市美術館】THIS IS JAPAN 永遠の日本美術【感想】

屏風に描かれているのは、かの有名な葛飾北斎の富嶽三十六景。作者や作品のタイトルは思い浮かばなくても、誰しもが「この絵、見たことあるなぁ」という感覚を持てるくらい日本的な美術作品だと言えるでしょう。そん …

【大分県立美術館】住友コレクション フランスと日本近代洋画【感想】

祝!来場者数1万人突破!2028/8/17に本展覧会の来場者数が1万人を突破したそうです。開催期間は残すところあと2週間ばかり。まだの方はお見逃しなく! アートに詳しくない人でも一度は名前を聞いたこと …

ブログ村バナー