「だめですよ〜。〇〇さんは冗談が通じないタイプなんだから〜笑」
「えっ、ただの冗談ですよ。そんなに怒らないで笑」
皆さんは、今までそのようなことを言われたことがあるでしょうか?
私は、今まで幾度となく言われてきました。
「冗談が通じない」
「生真面目すぎて空気が読めない」
「ちょっとくらいゆとりを持って生きないと、モテないよ?」
そしてそのようなご指摘を受ける度に、
「はぁ、すみません・・・」
と、全っっっく悪いと思ってないながらも、謝ってその場を収めてきました。
もう気分はギザギザハートです。
誰か子守唄を歌ってくださいって感じですよ。
まあ、モテないのは事実なので否定しませんけど。
今日考えたいのは、この「冗談が通じない人=空気が読めない人」問題です。
特に、繊細さん、いわゆるHSPの方で「冗談が通じない」などと言われて傷ついた経験はありませんか?
「冗談が通じなくてつまらない」
「冗談が通じない人との会話って疲れるんだよね」
そんな心無い言葉を言われて悩んだ方。
自分を責めてしまった方。
そんな繊細さん向けの記事でもあります。
皆さんは冗談、お好きですか?
冗談が通じない人は空気が読めないのか?
結論から言えば、そんなことはありません。ないはずです。
むしろ、空気を読んで全力で相手に合わせようとしていることが多いです。
また繊細さんは、空気を読む能力が高いです。
しかし、この記事を書くにあたって、Google先生にお聞きしたところ、悲しいキーワードが出ました。
検索結果を見た途端、何かの間違いじゃないかと目を疑いました。
冗談が通じない人 疲れる
冗談が通じない人 つまらない
え?
面白くもない冗談ばかり言ってくる人って、相手するのに疲れるし超つまんないよね〜じゃなくて??
本気で混乱しましたが、どうやら世間的には冗談が通じない人はマイノリティらしいです。
気を取り直して、上を向いて考察に戻ります。
泣いてなんかないよ。
最初にひとつ断っておきます。
私は心療内科の医師でもなく、大学等で心理学を学んだこともないので、独断と偏見と体験談を元にしてお話ししています。
へー、そうなんだー、くらいに思っていただければ幸いです。
さて、冗談が通じない人が不運にも冗談を言われてしまった時、脳内(心の中)ではこんなことが起きています。
①ん?この人は急に何を言っているんだ?前後の文と脈絡がないぞ?
②なんで少しニヤニヤしているんだ?
③ていうか今仕事中じゃね?
④なんか周りがシーンとしてる・・。早くリアクションしなきゃ!
⑤笑えば良いのか?上手い切り返し方が分からん・・。
⑥なんて言い返せば相手が喜んでくれるんだ???
⑦あぁ、もうとりあえず笑っとけ!シンジ君もそんなこと言ってた気がする〜!
「ちょっとなんか言ってくださいよ〜!!」
時すでに遅し。
話し相手の方からツッコミが入ってしまいました。
0.1秒で⑦まで進めればまだマシな結果になったかもしれませんが、だいたい①の時点で1秒経過しています。
しかも①番目の謎を全力で解決しようとするために思考が完全に止まります。
ショート寸前☆なので表情筋まで動かせずに固まります。
シーンとした空気感に余計に焦りはじめます。
話し相手が何か言い返してくれることを期待しているのは分かるんだけど、なんて切り替えしたら正解なのか分からない。
つまり、空気を読んで相手を尊重し、おもんばかった結果、何も言えなくなっている状態なのです。
ちなみに私は③〜④の時点で焦りすぎて「え〜い、ままよ!」と適当にボールを投げ返したら、今度は相手が「は?」みたいな顔になったことがあります。
なんでやねん。
ごめん。
ミットの真ん中にボール返せなくてごめん。
このようにして「冗談が通じない人」は「空気を読もうとした結果」自身の経験に基づき、傷つけば傷つくほど「冗談が通じない人」になっていくのでした。めでたしめでたし。
ぜんぜんめでたくない。
できれば、「今から冗談を言うから、リアクションしてね!」って言ってから冗談を言ってきてほしい。
頑張るから、頑張ってホームラン打つから。
だめ??
そもそも冗談ってなんなんだ
goo辞書によると、冗談の定義は以下のようになるそうです。
①遊びでいう言葉、ふざけた内容の話。
②たわむれにすること。また、そのさま。いたずら。
冗談が通じない人として生きてきた私ですが、実は私も冗談は好きです。
最近マジ受けるww、と思った冗談(ジョーク)は、2020年のイグ・ノーベル賞でトランプ元米国大統領など9カ国の首脳が受賞した「医学教育学賞」の受賞理由。
新型コロナにウィルスの世界的流行で、政治家が学者や医師よりも生死に影響を及ぼすことを知らしめた
時事ドットコムニュースより 引用
めたくそに皮肉とエッジが効いた冗談です。
HAHAHA!と笑い飛ばせるのは、きっと私が政治家とは無縁の人生を送っているからです。
加えて、最前線で戦っている医療従事者でもなく、自分の大切な人を新型コロナウィルスによって亡くしていないという奇跡的な状況もあるかと思います。
むしろそのような立場でなければ、「は?笑い事じゃないんだけど??」とマジ切れしてしまうかもしれません。
何が言いたいのかというと、「冗談」は「受け手」が「面白い」と感じることで初めて成立するということです。
もちろん、「受け手」にユーモアやウィットが無い場合もあります。
古典や誰もが知っているであろう作品を前提にした冗談はたくさんあるし、これからも生み出されていくでしょう。
「面白い」と感じる基準も人それぞれですし、更に年齢や性別にもよるでしょう。
ただ一概に「冗談が通じなかったのは受け手の度量が狭いからだ」みたいな風潮はどうかと考えます。
失言や暴言をひとくくりにして、「冗談だったんだけど」で済まそうとする人を見るたびに思います。
最近だとROLANDさんとか・・過去の発言ですけど、ちょっとひっかかりました。(クリックでYAHOO!ニュースの記事に飛びます)
結論:誰彼構わず冗談を言ってくる人の方が空気を読めてない
「冗談が冗談として成立するのは、相手が面白いと感じてくれた時のみである」
私はそう考えています。
「冗談が通じなかった時」はただ単に「相手が面白いと感じなかった時」です。
「普通冗談って分かるでしょ」
「冗談なんだから本気にしないでほしい」
「半分冗談、半分本気。楽しんでくれると思ったのに」
わけがわからずポカンとしていると、
「ノリが悪い人」
「コミュニケーションが取りづらい人」
「人の善意をないがしろにして」
なんて理不尽な烙印を押してくるような人がいます。
金銭の受け取りが発生するような関係でもないのに、何故こんな面倒くさいやり取りを求められなければならないのでしょうか?
私たちは無料で奉仕するホストやホステスではないはずです。
悲劇なのは、無理して頑張って受け答えをしていると、ご自分のトークスキルが高いと勘違いされる方がいること。
「俺(私)のトークスキル高いぜ〜!」って感じている方は、話し相手がいる以上、半分は相手の手柄であることを自覚していただきたく思います。
アナタの面白くもない冗談をきちんと返してあげた人のおかげでひんしゅくを買わず、場が温まっている場合もありますし、実際合コンや会議などではよく起きる事態です。
繊細さんが、このような「空気の読めない人」に出会ってしまった時。
その時オススメなのが、適当に相槌だけを打つことです。
面白い、とかつまらない、という感想を与えてあげることはありません。
しかし無視やシカトをすると、無関係の周りの人からの評価を下げかねないので、最低限「はぁ・・」とか「へぇ・・」とか言ってあげましょう。
そのうち相手が飽きてもっとリアクションがいい人を求めてどこかへ行きます。
「冗談が通じない人は空気が読めない人」ではありません。
まして繊細さんは、頑張って「冗談を理解しようとする人」です。
「誰彼構わず、場所もわきまえず冗談を言ってくる人こそ空気が読めない」。
私は、そう思います。
関連記事:【読書感想文】「繊細さん」の本