少し目のやり場に困るような、しかし何故か視線を外せない。
そんな印象を与えるポスターが入り口にデカデカと掲げられた展覧会にお邪魔してきました。
大分県立美術館で開催中の、GENKYO 横尾忠則「原郷から幻境へ、そして現況は?」展。
大分では初開催となる横尾忠則氏の大規模個展。
作品数も豊富で、そして印象的で鮮やかな作品が多い展覧会でした。
どちらかというと、あっさり目ではなく、どっしりと濃い目です。
胸焼けしそうになるくらいに濃厚で魅力的な作品たち。
氏の作品をご存知の方も、そうでない方もぜひ御覧ください。
横尾忠則氏 概要
横尾忠則氏は1936年生まれの現在85歳。
幼い頃より絵の才能に恵まれ、1960年代からグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活動を開始しました。
また1980年代には活動に領域を「画家・芸術家」へと移し、斬新なテーマや表現による作品を次々と発表。
その作品は海外でも高い評価を得ています。
個人的に親交のあった三島由紀夫をモチーフにした作品や、自身の死生観、多感な時期を戦中の雰囲気で過ごした故の鬱蒼としつつも鮮やかな作品。
またデザイナー出身であることから、画材に鏡が使われていたり、電球がはめ込まれていたりと、観せ方においても一風変わった作品があります。
展覧会概略
展覧会の作品は、一部の作品を除き写真・動画撮影が禁止となっています。
作品数が多く、また作品自体も大きなサイズ感の物が多かったです。
氏が幼少時に描いた作品や、初めて入選した学生時代に描いた作品、デザイナー時代の作品。
展覧会の副タイトルに「現況は?」とある通り、昨年(2020年)に描かれた作品までたっぷりと堪能することができます。
もし途中でお手洗いなどに行きたくなったら、会場の方にお声掛けすれば再入場が可能なようですので、ぜひゆっくりと時間をかけて観ることをおすすめします。
言葉でなかなか表しにくいのが芸術だと思いますが、氏の作品はまさにその通り。
どこが良い、とかここが素晴らしい、とは決して門外漢の私には言えませんが、とにかく圧倒的な熱量で迫ってくる展覧会になっています。
会場の出口付近には、氏が滝の絵を描くために収集し始めた滝の絵はがきを使用した体感型のインスタレーションが設置してありました。
残念ながら写真撮影禁止エリアだったのですが、天井、左右までびっちりと滝の絵はがきで埋め尽くされ、足元は鏡面という、よもすれば感覚が不安定になるような作りのインスタレーションで、とても楽しかったです。
滝の水音が流れていたら、ちょっと泣いてしまうかも、というくらいの迫力を感じました。
展覧会 概要
GENKYO 横尾忠則「原郷から幻境へ、そして現況は?」展は現在大分県立美術館で開催中です。
鮮やかでうっとりするような色遣いの作品や、背徳感を覚えるような作品。
多種多様な作品がたっぷりと展示されています。
機会がある方はぜひ訪れてみてください。
開催期間 | 2021/12/4〜2022/1/23(休展日なし) |
開館時間 | 10:00-19:00 金・土曜日は20:00まで (入場は閉館の30分前まで) |
観覧料 | 一般 1200円 大高生 1000円 中学生以下無料 |