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【大分県立美術館】手から始まるアドベンチャー【感想】

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「絵画や彫刻作品を前に、じっくりと目で観察する」それがスタンダードな美術鑑賞スタイルです。


今回の「おおいた障がい者芸術文化支援センター企画展 vol.6 手から始まるアドベンチャー」は、視覚だけではなく、聴覚、触覚、温度など「目」以外の感覚で楽しむことができる美術展。


「さわる」をテーマに作り上げられた会場内では、普段とは一味違うアート体験が待っています。
作品は、一部を除き、実際に手や指でさわることができます。優しく触れながら、自分の感覚も研ぎ澄ませてみましょう。


なお、会場内の作品はすべて写真撮影が可能となっています。

のっけから耳なし芳一

「さわる」をテーマにした展覧会、暗さが保たれた部屋で待っているのはずばり「耳なし芳一」です。
平家物語がとうとうと読み上げられるBGMを背に、怪しい雰囲気が満ちています。

等身大に作られた芳一のフィギュア。差し出されているその手に触れてみましょう。

シリコン樹脂で作られている芳一の手の感触は、なんとも言えません。
もちろん温かくもなく、冷たくもなく、それでいて握り心地は良く・・・爪の一片いっぺんも丁寧に形作られていて不思議な気持ちになりました。

盲目の上、聴覚まで失った芳一のフィギュアは、まさに今回の展示テーマにふさわしい作品と言えます。

普段作品が展示されていても、適宜距離を保っての鑑賞になりますから、今回の展示はかなり刺激的です。

少し太い指も、二重あごにも、ケツアゴにも思う存分さわることができます。後ろにチラっと見えている女性の美しく細い首もなでることができます。

温かい古墳?!

こちらの古墳型(?)の作品、靴を脱いで中央のくぼみに寝転がることができます。

流石に寝転がるまではしなかったんですが、くぼみ部分に横座りしたところ作品からほのかな暖かさが伝わってきました。
温泉、、とまでは言いませんがずっと座っていたくなる温度感です。おもしろ!

あの名画にもさわれちゃう!

上記は1945年に兵庫県芦屋市で焼失したゴッホの「ヒマワリ」を陶板焼きで再現したもので、徳島県にある大塚国際美術館にも搬入している大塚オーミ陶業株式会社の作品です。

初めて見ましたが、青色の鮮やかさに目を奪われました。花びらや、種部分の絵の具の盛りも手でなぞることができます。油絵の筆のタッチまで再現しているがすごいですね。

THE・歴史の教科書で見たことあるやつ!こちらも陶板焼きの再現絵画です。教科書で見た絵に手のひらでさわることができるなんて不思議な体験ですね。


会場にはからくりのおもちゃや、飛び出す絵本ならぬさわることで立体的になるポップアップ絵本などたくさんの刺激的な作品が展示されていました。


いつもの目や心で鑑賞するアート体験ではなく、どれも体感できるアート作品でとてもおもしろかったです。

手から始まるアドベンチャー 概要

体感できるアート展「おおいた障がい者芸術文化支援センター企画展 vol.6 手から始まるアドベンチャー」は大分県立美術館にて2024年11月9日(土)まで開催中です。


作品にさわることで新たな発見を得たような、興味深い時間を過ごすことができました。
お近くの方はぜひ訪れてみてください。

開催期間2024年10月30日(水)〜11月9日(土)
開館時間午前10時〜19時
金・土曜日は20時まで
(入館は閉館の30分前まで)
休展日なし
観覧料無料
HP大分県立美術館https://www.opam.jp/
駐車場有(詳しくは大分県立美術館のホームページまで)

関連記事:【大分県立美術館】つくる展【感想】

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