アート

【大分県立美術館】没後50年 福田平八郎【感想】

投稿日:2024年5月19日 更新日:

福田平八郎。
大分市出身の日本画家で、その作品は「写実に基づく装飾画」という芸術を確立したと評されています。


没後50年の節目に行われる大回顧展。
先日大阪中之島美術館で開催され、福田平八郎の故郷でもある大分でも開幕しました。(大分の後の巡回予定が無さそうなのでちょっともったいない気もしますが)

展示作品数100点以上、また後期(6/18〜)にかけて入れ替えも予定されており見応え十分の美術展となっています。(ちなみにパネルやポスターにも使用されている重要文化財「漣(さざなみ)」は6/28(金)より展示予定)


また写真撮影は一部作品のみOKとなっています。

初期から晩年までの作品が勢ぞろい

上記作品は左上より「金魚」(1921年)、鰻(1926年)、鮒(1926年)。
細部の書き込みがすごい!という感じではなく、あたり線等も限りなく少ないです。まるで当然のようにそこに線があり、当たり前のようにそこに配色されているといった印象でした。静かで美しい。


会場は5部構成になっています。

第1章 手探りの時代
第2章 写実の探求
第3章 鮮やかな転換
第4章 新たな造形表現への挑戦
第5章 自由で豊かな美の世界へ

作品や写生帖(スケッチ類)が学生の頃から活躍した年代順、時系列に沿って展示されているので作風や画風の変遷を分かりやすくたどることができます。

写真撮影も一部のみとのことでしたが体感的には相当数撮影できたな、という感想です。

「雲」(1950年)。まるで久石譲のSummerが聴こえてきそうなくらいの爽やかさ。

「花菖蒲」(1950年)。線画が太く、シンプルな配色の作品。
「雲」と同年代の作品ですが、素人目には同じ人の作品に思えないくらい方向性が違っており、会場には想像以上にいろんなタイプの作品があり驚きました。

「游鮎(ゆうねん)」(1965年)。
平八郎は晩年に近づくにつれ、より太く単純化されたまるでデザイン画のような作品が増えていくのですが、上記の作品も面白いですね。

シンプルと言っても「写生狂」を自称した平八郎。
とにかく対象を観察し、スケッチを重ねた者のみがたどり着く境地といった印象です。

またデザイン画のような作品が増えたといっても、以前のような細やかな筆致の作品も晩年に手掛けており一辺倒ではないのもすごいところ。

毎日の筋トレを欠かさないトップアスリートみたいなもん

写生帖。
会場には1914年から1971年の間に平八郎が描き続けた写生帖も展示されています。平八郎が亡くなったのは1974年なので、本当にずっとスケッチし続けた人なんですね。

中にはもちろん作品の大元になった写生もあれば、テレビ画面に写った天気図や紙テープ、セーターなどもあり、とにかく目に入った「その時描きたいと思ったもの」をなんでもスケッチしているようです。写生狂を自称してしまうくらいですからね。


およそ巨匠となった後でも「描かずにはいられない」という・・そこには「努力」や「根性」といったものよりも「めっちゃ絵を描くのが好き!」といったワクワク感をも感じます。つよい。

没後50年 福田平八郎展 概要

没後50年 福田平八郎展は大分県立美術館にて2024年7月15日(月・祝)まで開催中です。

6月18日(火)より展示作品が30点以上も入れ替わった後期展示も予定されていますので、何度も楽しめそうです。
何より重要文化財「漣」は6/28(金)より展示予定なので、絶対見たい!という方は後期もおすすめです。

開催期間2024年5月18日(土)〜7月15日(月・祝)
開館時間午前10時〜19時
金・土曜日は20時まで
(入館は閉館の30分前まで)
休展日6月17日(月)
観覧料一般    1,400円
高大生   1,000円
中学生以下、障害者手帳掲示者とその介護者(1名)は無料
HP大分県立美術館https://www.opam.jp/
Instagramhttps://www.instagram.com/opamjp/
駐車場有(詳しくは大分県立美術館のホームページまで)

関連記事:【大分市美術館】ロートレックとベル・エポックの巴里-1900年【感想】

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