アート

【大分県立美術館】手から始まるアドベンチャー【感想】

投稿日:2024年10月31日 更新日:

「絵画や彫刻作品を前に、じっくりと目で観察する」それがスタンダードな美術鑑賞スタイルです。


今回の「おおいた障がい者芸術文化支援センター企画展 vol.6 手から始まるアドベンチャー」は、視覚だけではなく、聴覚、触覚、温度など「目」以外の感覚で楽しむことができる美術展。


「さわる」をテーマに作り上げられた会場内では、普段とは一味違うアート体験が待っています。
作品は、一部を除き、実際に手や指でさわることができます。優しく触れながら、自分の感覚も研ぎ澄ませてみましょう。


なお、会場内の作品はすべて写真撮影が可能となっています。

のっけから耳なし芳一

「さわる」をテーマにした展覧会、暗さが保たれた部屋で待っているのはずばり「耳なし芳一」です。
平家物語がとうとうと読み上げられるBGMを背に、怪しい雰囲気が満ちています。

等身大に作られた芳一のフィギュア。差し出されているその手に触れてみましょう。

シリコン樹脂で作られている芳一の手の感触は、なんとも言えません。
もちろん温かくもなく、冷たくもなく、それでいて握り心地は良く・・・爪の一片いっぺんも丁寧に形作られていて不思議な気持ちになりました。

盲目の上、聴覚まで失った芳一のフィギュアは、まさに今回の展示テーマにふさわしい作品と言えます。

普段作品が展示されていても、適宜距離を保っての鑑賞になりますから、今回の展示はかなり刺激的です。

少し太い指も、二重あごにも、ケツアゴにも思う存分さわることができます。後ろにチラっと見えている女性の美しく細い首もなでることができます。

温かい古墳?!

こちらの古墳型(?)の作品、靴を脱いで中央のくぼみに寝転がることができます。

流石に寝転がるまではしなかったんですが、くぼみ部分に横座りしたところ作品からほのかな暖かさが伝わってきました。
温泉、、とまでは言いませんがずっと座っていたくなる温度感です。おもしろ!

あの名画にもさわれちゃう!

上記は1945年に兵庫県芦屋市で焼失したゴッホの「ヒマワリ」を陶板焼きで再現したもので、徳島県にある大塚国際美術館にも搬入している大塚オーミ陶業株式会社の作品です。

初めて見ましたが、青色の鮮やかさに目を奪われました。花びらや、種部分の絵の具の盛りも手でなぞることができます。油絵の筆のタッチまで再現しているがすごいですね。

THE・歴史の教科書で見たことあるやつ!こちらも陶板焼きの再現絵画です。教科書で見た絵に手のひらでさわることができるなんて不思議な体験ですね。


会場にはからくりのおもちゃや、飛び出す絵本ならぬさわることで立体的になるポップアップ絵本などたくさんの刺激的な作品が展示されていました。


いつもの目や心で鑑賞するアート体験ではなく、どれも体感できるアート作品でとてもおもしろかったです。

手から始まるアドベンチャー 概要

体感できるアート展「おおいた障がい者芸術文化支援センター企画展 vol.6 手から始まるアドベンチャー」は大分県立美術館にて2024年11月9日(土)まで開催中です。


作品にさわることで新たな発見を得たような、興味深い時間を過ごすことができました。
お近くの方はぜひ訪れてみてください。

開催期間2024年10月30日(水)〜11月9日(土)
開館時間午前10時〜19時
金・土曜日は20時まで
(入館は閉館の30分前まで)
休展日なし
観覧料無料
HP大分県立美術館https://www.opam.jp/
駐車場有(詳しくは大分県立美術館のホームページまで)

関連記事:【大分県立美術館】つくる展【感想】

-アート
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【アートプラザ】クロノモルフェ【感想】

毎年アートプラザ大分で開催されるピックアップアーティスト展。大分にゆかりのある若手アーティストを紹介する本展は、今年で13回目の開催となります。展示会タイトルのクロノモルフェとは今回の為に作られた造語 …

【大分市美術館】ロートレックとベル・エポックの巴里-1900年【感想】

ベル・エポック(Belle Époque)。美しき時代。19世紀末から第一次世界大戦が勃発する1914年までの、パリが繁栄した華やかな時代や文化を回顧した言葉だそうです。フランスは革命以降政治が民主政 …

【大分県立美術館】つくる展【感想】

ちょっとアートっぽくない美術展に行ってきました。「つくる展」。TASKOというアートファクトリーの作品が「体験できる」今回の企画展。体験とは、味覚以外の五感を使ったアート体験のこと。ともすれば「作品を …

【大分県立美術館】生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界【感想】

その期間、わずか15年間の大正時代(1912〜1926)。激動だった大正時代を代表する画家と言えば竹久夢二です。竹久夢二は現代でも人気のある画家で、東京や群馬など各地に夢二関連の美術館が存在します。本 …

【大分県立美術館】没後50年 福田平八郎【感想】

福田平八郎。大分市出身の日本画家で、その作品は「写実に基づく装飾画」という芸術を確立したと評されています。没後50年の節目に行われる大回顧展。先日大阪中之島美術館で開催され、福田平八郎の故郷でもある大 …

ブログ村バナー