
本記事にはセンシティブな画像(虫)が含まれています。苦手な方はご注意ください。
夏休みにぴったりな展覧会です。その名も「虫展」。
解剖学者で無類の昆虫愛好家の養老孟司氏と、デジタル移送部門の研究者で蝶や昆虫のネイチャー写真でも高い評価を得ている小檜山賢二氏。二人の虫好きがタッグを組んだ今回の虫展。
なぜ大分での開催なのかというと、毎年養老孟司氏が大分で昆虫採集を行っており、そのご縁もあってお二人から大分での企画・開催について打診があったからなんだそう。なにそれすごい。
そんなわけで希少性も高い本展。残念ながら他県での巡回情報もないので、虫好きの方はもちろん、デジタル技術や研究職、エンジニアリングに興味のある方にも必見の展覧会となっています。
なお、本展はすべて写真・動画撮影がOK。また自由に感想を言い合いながら観覧することが推奨されているので、ぜひああでもないこうでもないと言いながら見て回りましょう。

みて、かんじて、かんがえたくなる仕掛けがたくさん!

会場内には養老氏の豊富な標本コレクションが並んでいます。氏のコメント付きなのでとても見やすかったですし、標本を見ながらあれこれ会話するご家族連れも多かったです。狙い通り!
小鳥のさえずりのようなBGMも聞こえてきて、まさに森に入り込んでしまったかのような演出がされています。(余計に会話がしやすい仕掛け)
養老氏の部屋を覗き込んだようなデジタルサイネージも。


採取した虫たちを観察するためのデジタルマイクロスコープ付きのお部屋。氏は標本を作っている時間が一番落ち着いていて好きなんだそう。そ、そうなんだ・・。
また、深度合成技法を駆使し、昆虫写真の新たな可能性を切り開いた小檜山賢二氏。その技法についての解説もありました。
今はコンピュータのソフトが合成まで行うそうですが、ソフトができるまではなんと人力で行っていたそう。すごいど根性。


上記が深度合成技法で撮影されたグンジョウオオコブハムシの画像です。本展ポスターにも採用されています。
まるでイラストのようですが、写真です。実物は8mmしかないので、人間の目だけでこの美しさを認識するのは不可能そうですね。

こちらはアオヒゲナガトビケラという水中のミノムシの一種が作り出した巣の写真です。実物は10mm程度。
トビケラは周囲にある材料を使って巣を作り上げるので、それぞれが違ったものになるそうです。まるで伝統工芸品のような職人の腕を感じますね。
アートではないものに「アート」を感じる。まさに芸術です。
虫たちをいろんな角度から観察できるこんな仕掛けも。


ガチのPSコントローラーが用意されていたので、気になる方はぜひあんな角度やこんな角度からじっとりと観察してみてください。
大分の虫めづる君たちへ

大分は山も海も川も温泉もあって自然豊かな土地。そのおかげで交通網はやや不便ですが、それによって守られているものも数多く、その守られている宝物に魅せられている方たちも多いのだと改めて勉強になりました。

大分独自の生態を発揮している虫たちもいるみたいで、ほんと自然って不思議。

まぁ、温泉の中に住まう貝(オンセンゴマツボ)も居るくらいですからね、大分(茹で上がらないのかしら)。。。
虫の新たな一面と謎に触れた刺激的な展覧会でした。
養老孟司と小檜山賢二「虫展」 〜みて、かんじて、そしてかんがえよう 概要

「養老孟司と小檜山賢二「虫展」 〜みて、かんじて、そしてかんがえよう」展は大分県立美術館にて8/25(日)まで開催中です。
中学生以下は無料ですし、暑さを避けたい時のレジャーにもうってつけ。ぜひ訪れてみてください。
開催期間 | 2024年7月13日(土)〜8月25日(日) |
開館時間 | 午前10時〜19時 入館は閉館の30分前まで。 金・土曜日は20時まで開館。 |
休展日 | なし |
観覧料 | 一般 1,200円 高大生 1,000円 中学生以下及び身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳を提示の方と付添者1名は無料 |
HP | 大分県立美術館https://www.opam.jp/ |
https://www.instagram.com/opamjp/ | |
駐車場 | 有(詳しくは大分県立美術館のホームページまで) |