アラフォー独身女性、子なし、非正規雇用、一人暮らし、ついでにパートナーも無し。
侘びしさや悲哀に満ちたこれらの肩書きが、現状の私。
世間の皆様、あるいは政治家の皆様から見た私の未来は、さぞ暗雲が立ち込めている状態でしょう。
けれど私自身はそう感じていませんし、むしろ今現在が幸福で最適な状況であると考えています。
一昔前なら、女性は皆すべからく適齢期になれば結婚し、出産し、家庭に尽くすのが一般的でした。
私は1985年生まれですが、ほんの5年生まれが早かっただけでもその社会的・世間的プレッシャーはすごかったことでしょう。
生涯未婚率が上昇している。
非正規雇用も増加している。
身も蓋もない言い方ですが、社会構造的にはもはやマイノリティではない現在の私。(もちろん正確な数値でいえばまだまだ少数派です)
だからこそ現状である「独身、子なし、非正規」といった状況を肯定的に受け入れることができるのかもしれません。
ひとり暮らしって最高な贅沢!
突然ですが皆さんの一ヶ月の支出はどのくらいですか?
総務省統計局のデータによると、ひとり暮らしの支出平均は12.6万円。
これが二人世帯だと19.6万円なので、一人あたり9.8万円まで下がることになります。
(上記のデータは総務省統計局よりお借りしています)
家賃、光熱費などの固定費が人数分で折半になるので当然といえば当然。一般的には世帯人数が増えるほど一人当たりの(教育費を除く)生活費は減っていきます。
ひとり暮らしは金銭面だけでなく、環境にも負荷がかかります。
特に電気やガス(調理)、水の汚染(お風呂)などは一度に大人数で分けて使用しなければ確実に地球にダメージを与えます。
通常のジャンボジェット機に数百人が乗るのと、セレブ一人がプライベートジェットに乗るのでは二酸化炭素の排出量は同じとしても、一人あたりの排出量は全然違ってくるでしょう。
気候変動について議題が上がるダボス会議にプライベートジェットで駆けつけるビル・ゲイツが揶揄されるのはその為です。
ひとり暮らしも捉えようによっては贅沢な行為です。けれどプライベートな空間、時間が確保できる最適な手段なのです。
自分の好きなタイミングで、トイレやお風呂も台所も洗濯機も冷蔵庫も使えない。共有するからこそコストパフォーマンスは良いのです。
妻でもない、母でもない、バリキャリでもない私
私は現在結婚していません。
子供も生涯産むことはないでしょう。
だからといって仕事にフルコミットするというわけでもなく、むしろ非正規雇用で働いています。つまり所得が低いので税金も最低限しか納めていません(それでも毎月の社会保障費や税金はキツいですが)。
一昔前なら「え?お前がこの世に生まれた意味考えろや」となるでしょうし、令和でも一部の方から鑑みれば「無駄な人生」と批判を浴びるでしょう。
長いこと「再生産」の役目を負わされてきた女性。
命を危険にさらしつつ、身体を痛めつけて出産し人口を再生産。
そのうえ育児の一切を担いつつ家庭に帰還した男性の世話をやき、食事を与え、心身を(性的にも)癒やし、男性の労働力を再生産して社会へと送り出す。
時には家計の足しにするために自ら社会に出て生産活動も行う。
「御役目」は今までの社会構造上どうしようもなく、好むと好まざるとにかかわらず「女性」が背負うべきもの、と思い込まされてきました。
しかし時代は移り、現代もその思い込みを持ったままの「女性」は少数派でしょう。
それには「嫁ぐ・産む」以外での女性が生きる道、経済的自立が必要でした。
現在の私は非正規雇用といえどもギリギリ経済的には自立しており、誰でもない「個」としての私を生きています。
すべての時間や労力を自分のために費やして生きる。
それって、なんて贅沢で幸運で幸福なことでしょうか!
いつの時代も、女性の誰かが願ってやまなかった、けれど許されなかったはずの人生です。
幸運であることを自覚して生きる
そうは言っても障害も持病も無く、借金や犯罪被害などのトラブルも抱えていないから幸せだと思えるだけだろう。確かにそうです。
私はたまたまラッキーだった。
特別な才能や才覚に恵まれたわけでも、死にものぐるいで努力したわけでもありません。
機能不全家庭の元に生まれたわけでもなく、いじめにも合いましたが自殺を選択せず、やべぇ一族経営のブラック企業や普通のブラック企業にも当たりましたがそれでも心身が修復不可能状態になる前に退職できただけです。
ごく至って普通の、幸運が積み重なっただけの幸福な人生です。
ひとり暮らしの部屋の窓から見える青空、起き抜けにそこそこ美味しいコーヒーをすする時、明日の仕事のことも考えずに好きなドラマやアニメを延々と見て、暖かい電気毛布にくるまれながら眠りにつく夜に、その平穏な日々に心からの幸福を感じています。