皆さんは、ほっと一息つきたい時、リラックスしたい時、どんな飲み物を選んでいますか?
コーヒー、紅茶、あるいは粉末スティックタイプのラテだったり、お湯で希釈するタイプの飲料だったりするかもしれません。
でもぱっと思い浮かべた中で、日本茶を選択肢に上げる方は少ないのではないでしょうか?
食事時や、外出先でペットボトルのお茶を選んでいても、自宅で急須に茶葉を入れてお茶を淹れる、ということはしない方が多いと思います。
もとより、急須が自宅にあるご家庭は少ない。
実は私の家にも、つい最近まで急須が家にはありませんでした。
ですが、ある本を読んで以来、なんだか日本茶のことが気になってしまい、急須を購入。
現在では紅茶、珈琲と並んでほっと一息つきたい時に飲む飲み物として選択肢に上がるようになりました。
今回は、その素敵な本のご紹介と、日本茶の魅力にについてお話しようと思います。
僕が恋した日本茶のこと 概要
著者は、スウェーデン出身のブレケル・オスカル氏。
日本茶に惚れ込み、日本に留学、日本語を習得し、難関資格日本茶インストラクターまで習得している方です。
現在も日本に居住されており、日本茶の普及に務められています。
ブレケル・オスカル氏が運営する公式サイトはこちらから。
氏がセレクトした茶葉なども通販で取り扱っています。
https://www.brekell.com/
驚きなのがこちらの本は氏が日本語で書き下ろしていること。
もちろんオスカル氏の母国語は日本語ではありません。
ですが読んでいて全く違和感も、読みにくさも感じることはありませんでした。
むしろ全編ユニークさや表現の豊かさにあふれており、とても読みやすかったです。
本書では、日本茶の成り立ち、なぜ日本茶はどれも似たような味がするのか、はたまた茶農家及び茶産業というもののこれからについて、など興味深い内容が実に読みやすく書かれています。
僕が恋した日本茶のこと、というタイトル通りまさに本書はオスカル氏から日本茶へのラブレター。
そのくらい熱意と情熱に溢れていました。
読んでいてちょっと恥ずかしくなるような、ストレートな愛情表現。
でも、その熱意に当てられて(笑)、まんまと家に急須を迎えてしまいました!
久しぶりに日本茶を淹れてみた
家においてある日本茶はティーバックタイプのみ。
どうせなら久しぶりに急須で淹れたお茶が飲みたい。
そして、本で紹介されていた茶葉で淹れたお茶も飲んでみたい。
そんな訳で近所のお茶屋さんへ。
店員さんから茶葉や淹れ方の詳しい説明を受けつつ、購入してみました!
香駿という茶葉は、ブレケル・オスカル氏もオススメしていたので特に気になって購入。
玄米茶はもともと好きで、実家に居たときはよく飲んでいたので懐かしくなり購入を決めました。
店員さんによると、香駿は低め、玄米茶は高めの湯で淹れるのが良いのだとか。
湯呑が無いので、マグカップに淹れました。
日本茶を淹れる時のコツは、湯を急須の中に残さないようにしっかりと湯呑に注ぐこと。
茶葉が蒸らされ過ぎないよう、一煎目の後は蓋をずらして置くこと。
また、茶葉は一人分約大さじ1杯で、三煎目まで飲めるそうです。
1度の準備で3杯まで飲めるなんて、日本茶って意外とコスパが良いのかもしれません。
桜の香りがする香駿
といっても、よくあるフレーバーティのような、桜餅の塩漬けされた葉の部分ようなキツイ香りではありません。
とても控えめで、しかしなんとも言えない爽やかな香り。
苦味や渋みはあまりなく、とても穏やかな気分にさせてくれます。
後口が良いのに、余韻も味わうことが出来る。
子供の頃から緑茶には親しんでいるはずなのに、思えば日本茶にきちんと向き合うのは初めてです。
急須で淹れたお茶がこんなに美味しいなんて、気が付きませんでした。
ペットボトルに入ったお茶はよく飲んでいますが、急須で淹れたお茶は久しぶり。
お湯を沸かし、急須やマグカップを温めて、茶葉の香りから楽しむ。
ただ美味しく飲むだけでなく、お茶を淹れる一連の流れを楽しめるのはすごく贅沢な時間なんだと思いました。
日本茶のここが難しい
日本茶販売店の店員さんに説明を聞きながら思ったのですが、確かに日本茶を急須で淹れる、というのは若い世代の方にはハードルが高いように思いました。
まず、茶葉の種類がいろいろあります。
それぞれ茶葉ごとの特色もあり、バリエーションも値段も豊富です。
特に、自分の好みの茶葉を選ぶ、そこがまず難しいように感じました。
家庭で飲まれている日本茶をそもそも日本茶専門店で購入するという方は多くありません。
私の実家でも、近所のスーパーで購入した日本茶をよく飲んでいました。
そして、スーパーで取り扱っている日本茶はだいたいがブレンド茶。
それぞれの味にあまり違いが出ないように調節された茶葉なのです。
また、今やお茶と言えばペットボトルに入っている物、という認識の方も多いかと思います。
ペットボトルのお茶は、和食にも、洋食にも、中華にも合うように調節された味。
良く言えばどんな食事と合わせても邪魔にならない味、悪く言えば特徴のない味です。
特徴が感じられない、ということは好みが分かれない、万人受けする味ということです。
例えば珈琲なら薄い、濃い、酸味がある、などの好みによって煎じ方や豆の種類が変わります。
しかし万人受けするお茶の味に慣れ親しんだ私達は、改めてどんな味のお茶が好き?と聞かれても上手く答えることが出来ません。
私も、渋いのが苦手、ということくらいしか答えることができません。
そんなときは茶葉も取り扱っている日本茶カフェなどを利用するのがオススメです。
店員さんが淹れてくれた美味しいお茶を飲みながら、自分の好みに合う茶葉を探すもよし、店員さんのオススメを聞いてみるもよし。
私、日本茶ならこの茶葉が好きなの。
なんて言えたら、ちょっと素敵だと思いません?
日本茶のススメ
日本茶は、食事の時にはもちろん、リラックスしたい時、就寝前に暖かい物が飲みたい時などにも良いと思います。
珈琲や紅茶だと、眠れなくなってしまうタイプの方には特におすすめです。
日本茶は珈琲や紅茶に比べてカフェインが控えめ。
ただし、日本茶の中でも玉露だけはカフェインが多いので注意しましょう。
1杯辺りのカフェイン量(抽出液100mg中) | |
コーヒー | 60mg |
紅茶 | 30mg |
日本茶 | 20mg |
玉露 | 160mg |
(5訂 食品成分表2001より抜粋)
また、急須を使って淹れるお茶は一見すれば面倒くさいようにも思えます。
私自身も、なんとなく茶葉の処理が手間のように感じ、ティーバックタイプのものしか家には用意していませんでした。
しかし、急須と湯呑を温め、的確な温度で淹れ、ゆっくりとお茶を三煎目まで味わう贅沢。
普段、時短、効率、生産性に追われがちな私達にとって、もはやゆとりを味わうことこそが本当の贅沢なのではないかと思います。
まだまだお家で過ごす時間が増えそうな昨今、日頃、あまり日本茶を飲まれない方や、馴染みがない、という方はぜひ日本茶を新たな趣味に加えてみてはいかがでしょうか。
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