読書感想文

【読書感想文】社畜のはりきり朝ごはん

投稿日:2020年8月23日 更新日:

皆さんは、朝ごはん「食べる派」ですか?


私は、寝坊してしまった日以外は必ず食べるようにしています。
(仕事に差し支えるとかではなく、単にお腹が空いているので)


実家暮らしの時は意識することもなかった「朝ごはん」。


一人暮らしになり、さらに社会人になると途端にハードルが上がります。


この本は、一人の「社畜」とそんな強敵(と書いてトモと読む)「朝ごはん」との戦いの日々を描いた記録です。

社畜のはりきり朝ごはん 

この本は、一人のブラック企業に務める男性会社員の方が、朝ごはんという魔物と戦い、そしてお腹とココロを満たしてきた勝利の記録です。


午前0時前後に帰宅し、それから台所に向かい、炊飯器をセットし、寝る。


次の日の朝、部屋中に漂うシチューの香りやカレー臭を身にまといながら朝ごはんを食べる。



ほぼコミカルに、だいたい大胆に社畜シェフの戦いは続きます。


彼が戦いの記録の中で残したのは、「炊飯器って意外となんでも作れるんだな」という驚きと、「何度吹きこぼれても壊れない炊飯器すごい!」ということ。


そして「吹きこぼれないように炊飯器の下に新聞紙を敷いておくのは大事」ということ。


なんとこの本で語られる朝ごはんは、ほぼ炊飯器で作られるのです。


しかし、炊飯器レシピの正確な分量などは期待してはいけません。


この本はあくまでも、社畜と朝ごはんの戦いの記録だからです。

社畜のはりきり朝ごはんのココが好き

上記の写真は、本に乗っている炊飯器レシピの一節です。


ご覧の通り、レシピ本としての働きは全く期待してはいけません。


スーパーウルトラ自由です。


ですが、この本は教えてくれます。


毎日毎日、仕事終わりに帰宅途中で買い出しをし、家に帰り着くやいなや、朝ごはんの仕込みをして就寝。


起床と同時に身支度を整えながら、朝ごはんを準備し、時間がないながらもなるべく食べてから出勤する。


このルーティンが単純でありながらもどれほど難しいことか、分からない方の方が少ない世の中だと思います。


コンビニや売店には、いくらでも手軽に食べられる「朝ごはん」が揃っています。


そちらの方が明らかに労力や時間を消費せずにすむ。


それでも彼は台所へ向かうのです。

お金を節約するためではありません。


では、それは何故か。

ごはんを作るときってどうしたって食べる人の好きな味とか栄養とか考えてしまうし、そうやって作ったごはんがおいしく残さず食べてもらえるのはめちゃくちゃ嬉しいもんで。

〈中略〉

おばあちゃんとかがたらふく食べさせようとごちそう攻めにしてきてた気持ちが、今になってじんわりと伝わってきました。

社畜のはりきり朝ごはん   ただいま、おかえり より引用


彼は言います。

いつか僕もそんな風に誰かをごちそう攻めにする日が来るんでしょう。

そのときには苦笑いをされないようにおいしいごはんが作れるといいなあ。

社畜のはりきり朝ごはん   ただいま、おかえり より引用

いつかくるその日のために、大切な誰かをごちそう攻めにするときのために。


読んでいてとても爽やかな気持ちになる、愛に溢れた戦いの記録。


それがこの本、社畜のはりきり朝ごはんの魅力なのです。

ご飯を作るのって結構めんどうくさい

朝ごはんを自分一人のために作り続けるのって、結構しんどいです。


自分一人だからこそ、適当でもいいか。・・・むしろ食べなくてもいいか。


となってしまうところを、この本は、優しく励ましてくれます。


料理をするときにいちばん大事なこと。


それは、料理を自由に楽しむ心と、(自分を含む)誰かの為に作る、という愛情です。


その姿勢が、この本には描かれています。


内容も読みやすく、エキセントリックな展開に思わず笑い声が出てしまうでしょう。


興味のある方は、機会があればぜひ読まれてみてください。



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